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寒さの厳しい地域で人気のトヨタ ハイエースの寒冷地仕様について

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寒さの厳しい地域で人気のハイエースの寒冷地仕様

最低気温がマイナス以下の地域で人気な寒冷地仕様

バン・ワゴンどちらでもOK

寒冷地仕様のハイエースについてですが、新車でハイエースを購入する方のみが選択できるメーカーオプションになります。ハイエースバンハイエースワゴンのどちらでも寒冷地仕様をオーダーすることは可能です。
2022年11月時点で寒冷地仕様が含まれた北海道地区メーカー小売価格は、バンのスーパーGL 2800ディーゼル2WD(ロング・標準ボディ・標準ルーフ)で3,794,000円(消費税込み)。通常地域の場合、メーカー小売価格は3,755,500円(消費税込み)なので、その差は38,500円となります。後述しますが、この費用で寒冷地仕様を選ぶことができるのは非常にお得なので新車購入時にはオススメです。
寒冷地仕様は雪国以外の方にもオススメな装備がついています。中古車でも寒冷地仕様かどうかはすぐに確認できるので、確認してみてください。
なお、スタッドレスタイヤや凍結しないウィンターワイパーは別途購入が必要ですのでご注意ください。
>>ハイエースの寒冷地仕様の装備について教えて【トヨタFAQ】(PDF)】

人気のハイエース・レジアスエース

続いて下記で具体的に寒冷地仕様のハイエースと標準仕様の違いについて紹介します。

寒冷地仕様ハイエースはボディ塗装が1層多い

寒冷地仕様はボディ塗装が1層多い

標準仕様よりボディのコーティングが1層多くなっています。冬季は塩化カルシウムなどの融雪剤が路上に撒かれることが多く、これが原因の錆を防ぐことができます。なお、融雪剤によるボディ下の錆を防ぐには別に防錆のコーティングの施工が必要になります。そちらは別途ご相談ください。

寒冷地仕様のハイエースは防塵処理が施されており、室内に砂や埃が侵入しにくい

防塵処理が施されており、室内に砂や埃が侵入しにくい

冬は空気がカラっとしていて湿度が低いため、空気中に埃が巻き上げられて雨や降雪がない日は埃っぽい日が結構あります。積もった雪が溶けたばかりの時は特に埃っぽくなりがちです。しかしこの防塵処理が施されていると室内が快適になります。砂塵が多い場所での仕事が多い人にもオススメです。
リアドアのアウトサイドモールディングはデザインの好みで外してしまう人も多いですが、防塵効果が高いのでそのままにしておくのをオススメします。

パワーアップしたオルタネーター(発電機)、セルモーターの採用

冬季はヒーターを使用する機会が多く、寒冷地仕様は後述するフロントヒーター、リアヒーターなど電力使用量が標準仕様より増えるため、オルタネーターが標準モデルの100Aから130Aに強化されています(ガソリンエンジンのスーパーGLのみ標準仕様でも130Aを採用)。また、冬季は早朝などエンジンが冷えている状態の始動性が悪くなるため、セルモーターも強化されたモノを使用しています。このようにオルタネーター、セルモーターが強化されたこともあり、後で紹介するように寒冷地仕様はバッテリー容量アップやバッテリーを2つ搭載するなどの仕様となりました。

電熱器(PTC)付きフロントヒーターとリアヒーターの採用

車の暖房はエンジンの排熱を活かす仕組みとなっているので、一般的なクルマでは真冬のエンジン始動直後は暖房が効きづらくなります。しかし、電熱器をONにすればエンジン始動直後でも電熱器で空気を暖めることが可能です。また標準仕様ではスーパーGLのみの採用となっているリアヒーターが寒冷地仕様では全車採用されています。ハイエースはバンもワゴンも室内が広いので、後部座席に同乗者を乗せる機会がある方はリアヒーターがあった方がいいでしょう。ちなみにリアヒーターは後付けができません。サブバッテリーで駆動するFFヒーターという製品があり、車中泊をする方には温度調整ができ、エンジンを切った状態でも使用できるFFヒーターの方が使い勝手がいいのですが、寒冷地仕様でリアヒーターを装備する方が費用は抑えられますよ。また、オプションになりますが、ヒーターミラーを別途オーダーすることも可能です。

ガソリン車はバッテリー容量がアップ、ディーゼル車はバッテリーを2つ搭載

冬の朝にバッテリーが弱ってしまいエンジンがかからない、という話を聞いたことはありませんか? 気温が低くなるとバッテリーは性能が低下してしまいます。それを防ぐためにガソリン車はバッテリー容量が標準仕様の48AHから55AHにアップ、ディーゼル車の場合、助手席下のバッテリーに加えて運転席の後方にサブバッテリーが搭載されます。バッテリーの容量を表すAHの単位の意味については下記のGSユアサのHPをご覧ください。

ディーゼル車のみフューエルヒーターを装備

ガソリンはマイナス90度以下にならないと凍結しませんが、ディーゼルエンジンの燃料となる軽油は凍結することがあります。販売される地域や季節によって5種類の軽油があり、それぞれに使用限界温度が異なります。
冬に販売される軽油はマイナス7.5℃以下で凍る(正確に言うと粘度が上がり、燃料噴射ができなくなる)2号軽油、マイナス20℃以下で凍る3号軽油、-30℃以下で凍る特3号軽油があります。北海道などの寒冷地では特3号軽油が販売されています。このように軽油は凍結することがあるため、寒冷地仕様車は燃料ポンプにヒーターが装備されています。

寒冷地仕様のハイエースは冷却水(LLC)の濃度が50%に変更

冷却水(LLC)の濃度が50%に変更(標準仕様は30%)

エンジンの冷却に欠かせない冷却水は標準仕様では30%となっていますが、寒冷地仕様は濃度が50%と濃くなっています。これは寒さによる冷却水の凍結を防ぐ目的なのですが、30%ではマイナス15℃で凍結、50%はマイナス36℃で凍結します。参考までに工具メーカーKTCの冷却水についてのページを紹介しますので、詳しく知りたい方はご覧ください。

ハイエースの寒冷地仕様にはその他の特別装備が盛りだくさん

装備は豪華だが、車両重量は+30㎏

スライドドアのステップ部にカバー、リアドアアウトサイドモールディング(スライドドア下部を縁取る黒いモール)の採用なども寒冷地仕様の特徴です。また、一部ガソリンエンジンのAT車では凍結した路面でも2速発進ができ、スリップしづらいスノーモードが装備されていたり、オプションでリアフォグランプが選択可能だったりなど、寒冷地仕様には標準仕様にはない装備が盛りだくさんです。しかし、これらの装備が加わる代わりに車両総重量は30kg増加しています。

執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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