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2021.1.7

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【Vol.36】究極のチームとは?

2021.1.7

連載:Renoca Adventure

「チーム」とは何かを考えてみる

チーム……。「共通の目的や目標を持って活動する小規模な集団」のことを指す、らしい。
パッと思いつくのは、野球チームやサッカーチームなどのスポーツチームかな。研究チーム、調査チーム、開発チームなどの企業の専門家が集まるビジネスチームもある。また、医療チームやレスキューチームなどの人命を優先する救命チームも忘れてはならない大切なチームだ。
ひと言で「チーム」と言っても、目的や目標、活動する環境などでその性質は全く異なる。もちろん形態もさまざまだ。
しかし共通して言えることは、「ひとり=個」では成し得難い結果や成果に近づける可能性が高まるということだろう。ひとりでは到達できない大きな力が、チームでなら引き出すことができるということだ。
そして、掲げる目標や挑む課題が難しくなればなるほど、「チーム力」が必要となってくる。

「チーム」とは何かを考えてみる

「個」について考えてみる

「個」について考えてみる

チーム力があれば何でもできそうに思えるが、実際にはチームで高い目標を達成するのは難しい。
なぜなら、「チーム」は「個」の集合体であるからだ。
たとえチームメンバー全員が共通の目的と目標を持っていたとしても、性格や価値観まで共有し合うためには、それ相応の時間と労力が必要となる。
年齢や経験値、精神面などに個人差が生じ、チーム全員で同じ景色を見ていたとしても、それぞれが感じる印象や考え方が異なるからだ。

個を優先? チームを優先?

チームを一台のクルマに例えてみる。
クルマはさまざまな部品の集合体だ。色も形も違う部品ばかり集まり、それらが絶妙に組み合わさることで、驚きの力を発揮される。
チームも同じように考えてみると、エンジンになる人もいれば、タイヤになる人もいる。そしてハンドルになる人がいれば、それらすべてをつなぎ合わせるネジや配線の役割になる人もいるのだ。
目的や目標を成し遂げるためには、どれひとつとして欠かすことはできない。
どこかで不具合が生じれば、それはすべてに連鎖し、クルマは走行できなくなってしまうだろう。
つまり、チームを形成して機能させるためには、自分を含めたすべての「個」が連携し、自分以外の「個」の弱点を補いながら能力を高める「チームメイト」になる必要がある。
絆と団結力の強さこそがチームを動かすエネルギーとなり、ひとりでは想像もしなかった力を生み出すことが可能になるはずだ。

個を優先? チームを優先?

惜しみない自己犠牲からの成長

惜しみない自己犠牲からの成長

誇れるチームになるために最も大切なことは、チームを優先する「惜しみない自己犠牲心」だと考える。
自分は常にチームの一部であり、そしてチームそのものであることを意識する。
「今チームに必要なことは?」「最優先すべきことは?」という思考を常に持っていられる「個」であることが必要だ。
もっと言えば、その自己犠牲を躊躇なく、そして率先してできる「個=チームメンバー」が揃ったとき、そのチームは間違いなく強固な絆で結ばれた誇れるチームになっていることだろう。
チーム・イーストウインドも、「個」の役割や型にこだわることなく、衝突と変化を繰り返しながら、世界に通用するアドベンチャーレースチームを目指している。
チームが目指す目標は、世界選手権優勝。
究極のチームを目指す道のりはまだまだ続くが、これからのチームイーストウインドの成長が楽しみだ。

田中陽希さん

著者:田中 陽希YOKI TANAKA

2007年チーム・イーストウインドのトレーニング生となり、2008年4月にトレーニング生を卒業し、正式メンバーとなる。地道なトレーニングで実力をつけ、プロアドベンチャーレーサーとなる。2014~2015年、陸上と海上の両方を人力のみで繋ぎ合わせた『日本百名山ひと筆書き』と『日本2百名山ひと筆書き』に挑戦。現在『日本3百名山ひと筆書き』に挑戦中。