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2021.2.5

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【Vol.38】チームトレーニング~リバーカヤック~

2021.2.5

連載:Renoca Adventure

本日のメニューはリバーカヤック!

本日のメニューはリバーカヤック!

東京青梅市御岳多摩川にイーストウインドのチームメンバーが集まった。 川に来た理由は、リバーカヤックを知るためだ。
チームメンバーのほとんどがラフティングガイドの資格を持ち、川下りは得意としているのだが、海外のアドベンチャーレースでよくある種目は、シーカヤックなのだ。
岩や渦が目まぐるしく現れる川でのカヤック操作は、海と比べて、より素早い状況判断と繊細な技術が求められる。
そんなリバーカヤックの技術を身に着けることができれば、シーカヤックの技術だけでなく、アドベンチャーレース全体でのレベルを上げることに繋がると期待できる。
若手のほとんどがリバーカヤック初心者であるため、基礎からしっかりと学ぶために多摩川のカヤックスクールへ出向くことにしたのだ。

カヤックスクール「FerryGlide」で学ぶ

青梅線御嶽駅から3分の好立地にあるFerryGlideに集合した。 午前中は座学でカヤックの理論を勉強し、湖で基礎練習。午後は流れのある川に出て実践的な練習となった。 指導を仰ぐのは、ベテランガイドの工藤さん(以下、師匠)だ。

師匠の講習はわかりやすかった。初心者でも理解しやすい言葉で説明してお手本を見せてくれる。僕の漠然としたイメージを理論と実践で表現してくれるのだ。 カヤックの操作がうまく出来なかったときには、できない理由を理論立てて説明してくれるので、自分の動きを修正するのがとても容易になる。 結果、出来ることがどんどん増えて練習が楽しくなった。師匠の教え方は僕にぴったり合っていた。

カヤックスクール「FerryGlide」で学ぶ

もうひとつ感動したことがある。
練習で使用した船がスラローム艇だということだ。
急流の中に設置した複数のゲートをくぐり抜けながらゴールタイムを競うスラローム競技用のカヤックである。
特徴は、平べったい形状をしていてとても軽い。波を切り裂きながら進むスラローム艇は、操作性がとてもピーキーだ。クルマで言うと、スポーツカーで練習している感覚だろうか。 だがこれがすごかった。 習ったことを繰り返すが、自分の動きがいい時と悪い時で、艇の反応がまるで違う。誤魔化しがきかないのだ。 出来ないことがはっきり身に染みてわかるので、自分の課題を見つけやすいと思えた。

それぞれの課題を胸に

練習は辺りが真っ暗になるまで続き、メンバーそれぞれに上達と課題が見えた。
大きな成果を得た実感と共に、みなかみ町に住む僕と隊長(田中正人)は、チームカーに乗り込んで御岳渓谷を後にした。
他のチームメンバーもそれぞれの家に帰宅する。ラフティングガイドの仕事が忙しくなる夏は水上に集まるが、冬はそれぞれの居場所に戻る。
彼らとはまたしばらく会えないが、今回の練習から得た課題をそれぞれがクリアし、次に会う時にはチーム全体がレベルアップしていることだろうと思う。
そんな話で盛り上がった隊長との車中の時間は、なかなか濃いものであった。
物理的に距離が縮まるので、必然的に話も熱くなりがちにはなるが、熱く語りすぎて降りるべきインターチェンジをスルーしてしまったことは、まだまだ未熟さを感じる帰り道の出来事でもあった。

米元 瑛さん

著者:米元 瑛YONEMOTO AKIRA

通称ヨネ。幼少期から登山を始め、大学時代は探検部でラフティングに没頭。子どもの頃に観たアドベンチャーレースに憧れ、イーストウインドのトレーニング生となる。明るい性格と若い力でチームを盛り上げる。現在はカッパクラブでリバー技術を学びながら、世界レースの舞台でナンバーワンになるための修練に日々励む。