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2022.2.9

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【Vol.63】はじめまして。Team EAST WIND新キャプテンの田中陽希です。

2022.2.9

連載:Renoca Adventure

結果をも左右する細かな気配り

お買い物の際、商品を入れた袋を従業員の方が最後にテープで閉じる光景をよく目にする。とても細かいことだが、その行為についていつも注目してしまうのが私こと、Team EAST WIND新キャプテンに就任した田中陽希だ。そして注目する先は、貼るテープの末端処理なのである。
そして帰宅して袋から商品を取り出す際に、テープが剥がしやすいように末端が折り返されていると、思わず「おっ! 気が利くな」と喜んでしまう。

アドベンチャーレースの本番中は、些細なことなんて気にしていられない。だけど、レース前の準備は繊細さを極め、装備(道具や食料等)一つ一つに工夫を凝らし、管理が行き届くようにしている。 ドロドロになりながら服が破けることも気にせず自然の中に突っ込んでいく。一見ガサツで繊細さや配慮とは無縁のように感じられるアドベンチャーレーサー達だが、準備段階は繊細さと配慮を持つことで、本番では細かいことを気にせずに思う存分に腕を振るうことができるのだ。


勝負時の失敗が許されない場面で、チャンスと成功と達成を掴み取り、結果を残すためには、事前の準備がもっとも大切であることは言うまでもない。 極論の持論だが、結果の99%は事前の準備段階で左右されているのはないか、と思うくらいだ。

それなのにも関わらず、準備をおろそかにしたことから本番での失敗は、私自身がたくさん経験している。 スタート前の確認不足、前日の寝不足、大切な道具などの手入れ不足…。「まっ、今回はいっか…」で済ませたあの時は取り戻せず、「あの時、ああしていれば…」という大きな後悔だけが残るのだ。 後戻りはできない。そんな自分への甘えによって苦しい場面をいくつも経験してきた。

新しい関係を築くのも準備が大切

人間関係も同様だろうと思う。
レースになったら突然仲良くなれるなんてあり得ない。普段の準備段階から密なコミュニケーションが必要だ。
「あの時のあの一言はいらなかった」「なぜもっとこう言えなかったんだろう…」と、後から後悔しても、もう遅い。
レース中のチームメンバーとの衝突はいつも些細な一言からだ。
だからチーム仲間との準備にも全力を注ぐ。
理想とする結果を想像しながら丁寧に準備をしていくのだ。
そして自分を守る道具を大切にする以上に、自分に関わる人たちとのコミュニケーションを大切にする。
シンプルなことだが、目標にしないと達成できない難しい準備だ。

私が所属するTeam EAST WINDは、25年以上の歴史を持つ。
25年間、田中正人(通称:鬼軍曹)がキャプテンを務め、チームを高みへと引っ張ってきた。 そして2022年1月1日から、Team EAST WINDのキャプテンが私に世代交代する。新たな門出となるチームが、今後どのように光り輝けるか是非注目していただきたい。

田中陽希さん

著者:田中 陽希YOKI TANAKA

2007年チーム・イーストウインドのトレーニング生となり、2008年4月にトレーニング生を卒業し、正式メンバーとなる。地道なトレーニングで実力をつけ、プロアドベンチャーレーサーとなる。2014~2015年、陸上と海上の両方を人力のみで繋ぎ合わせた『日本百名山ひと筆書き』と『日本2百名山ひと筆書き』に挑戦。現在『日本3百名山ひと筆書き』に挑戦中。