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【最新版】トヨタ ランドクルーザーシグナス&レクサスLX470:中古車購入ガイド

ランドクルーザーシグナス&レクサスLX470 中古車購入ガイド

ランドクルーザーシグナスとは? レクサスLX470とは?

レクサス店がなかった日本に投入されたプレミアム・ランドクルーザー

ランドクルーザーシグナスランドクルーザー100のプレミアムバージョンです。誕生はランドクルーザー100の発売からほぼ1年後の1998年12月のことでした。シグナスというサブネームは日本仕様にのみ与えられたもので、主に北米などの海外市場ではレクサスLX470として投入されています。日本独自のネーミングは当時の日本にレクサスブランドもレクサス店も存在していなかったことによります。シグナスの新車販売チャネルはランドクルーザー100と同じトヨタ店となっていました。レクサス店のない日本にLX470がシグナスとして投入された理由は、その頃の日本市場ではいわゆるオフロード色の強い「4WD」より都会的で洗練されたイメージの「SUV」というスタイルが広く注目を集め始めたこと、ランドクルーザー80の好調な販売に続き、後継のランドクルーザー100ではさらに販売台数の伸びが期待されたこと、そしてプレミアム車の普及を急速に進めるトヨタのグローバル化戦略があったことなどとされています。そのような背景のもとで誕生したシグナスにLX470との違いはほとんどありませんが、シグナスとランドクルーザー100では内容が大きく異なります。シグナスはボディの骨格やメカニズムなどはほぼランドクルーザー100と共有。違いはエクステリアやインテリアに集中していて、それによって魅力的なプレミアム仕様を形成しています。また、シグナスでは見えない部分にも差別性が与えられていて、ドアの開閉音や室内の遮音性などもプレミアムSUVとしての品格が与えられていました。

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ランドクルーザーシグナスについて/マスク&テールとボディカラーの違い

ランドクルーザーシグナスランドクルーザー100とは違うゴージャスな雰囲気をまとっています。フロントマスクはまずヘッドランプがハロゲン異形4灯式(ロービーム=プロジェクター式、ハイビーム=マルチリフレクター式)でフォグランプもプロジェクター式。グリルは逆台形でバンパーもボンネットパネルもオリジナルのデザインです。リアまわりではテールレンズやライセンスプレートの周囲がランドクルーザー100と異なり、バックアップランプは独立してライセンスプレートの左右につくスタイル。初期モデルのタイヤサイズは275/70R16でランドクルーザー100と同じですが、ホイールはランドクルーザー100が太い5本スポークであるのに対し、シグナスは同じ5本スポークでもスポークの中央にスリットが入った柔らかい造形で上品さが漂うものとなっています。このほかボディカラーでは、それぞれ初期モデルでランドクルーザー100にはホワイトパールマイカをイメージリーダーとする7色が用意されたのに対し、シグナスにはブラックをメインとしてベージュメタリック、グリーンマイカ、ホワイトパールマイカの計4種類が設定されました。プレミアム路線で市場を絞っているためシグナスのカラーバリエーションは少ないのですが、ホワイトパールマイカ以外は専用色でいずれもランドクルーザー100より高級感漂うものとなっています。発売当時のシグナスは新車価格が515万円。ランドクルーザー100の最上級グレードであるVXリミテッドGセレクション(V8ガソリンエンジン搭載)は同443万円ですから、シグナスには70万円以上ものプレミアム性が付加されたことになります。

レクサスLX470について/北米市場から始まったレクサスのブランド展開

ランドクルーザーシグナスとレクサスLX470は、ステアリングホイールの位置を除けばバッジが異なるだけの同一車と言えるでしょう。LX470はレクサスブランドの大型SUVとして2代目のLXでした。初代LXはランドクルーザー80をベースに開発されたLX450です。レクサスは1989年に北米で初めて誕生したトヨタの高級車ブランドですが、その時点でランドクルーザーをベースとしたレクサス車の開発はブランドの立ち上げに歩調が揃っていませんでした。そのためLX450はランドクルーザー80との差別性が十分に与えられないままデビュー。エクステリアはほぼ同じ仕様のまま、かろうじてインテリアでシート等をより高級とするにとどまっています。一方、LX470は市場リサーチと車両開発に十分な時間が費やされてデビューしました。最新のレクサスは全車でマスクにスピンドルグリルをはじめとする共通のデザインを採用していますが、この時期LX470は高級スポーティセダンのGSを真似た異形4灯式ヘッドランプを採用してレクサスの一員であることを主張。ランドクルーザー100とはガラリと違うプレミアムムードが与えられました。また、レクサスではサービスの面でもプレミアム性があります。たとえば北米のレクサス・ディーラーは一般的なトヨタ・ディーラーと異なりラウンジ調の広くてくつろげるインテリアが特徴です。レクサスユーザーには、メンテナンスを受ける機会でなくてもティータイム気分でお店に立ち寄ると無料で洗車等のサービスが受けられるなど特別なホスピタリティが用意されています(ディーラーの経営会社によって内容は様々)。さらに近頃日本のレクサスでも始まった戦略として、生活関連用品の開発&販売においても北米ではいち早くレクサスブランドが誕生しています。北米のレクサス・ディーラーではウェアやインテリア用品、アクセサリー類などもディーラー内に置かれて販売されているのです。ハードとソフトの両面で進められるブランド展開こそプレミアム。レクサスはそのように北米市場を中心としてステップバイステップで欧米の歴史あるプレミアムカーブランドに対抗しています。

ランドクルーザーシグナスの主要な機能&装備

車種 ランドクルーザーシグナス ランドクルーザー100
販売時期 1998年12月~2007年8月 1998年1月~2007年8月
全長 4,890mm 4,890mm
全幅 1,940mm 1,940mm
全高 1,890mm 1,890mm
最小回転半径 5.9m 5.9m
車両重量 2,470kg 2,290~2,490kg
乗車定員 8名 5~8名
エンジン種類 ガソリン:4.7L(V8:2UZ-FE)
ディーゼル:設定なし
ガソリン:4.7L(V8:2UZ-FE)
ディーゼル:4.2L(直6ターボ:1HD-FTE)
4WD方式 フルタイム フルタイム
新車時価格 584万円 403~517万円

※ボディーサイズは代表的最終モデル(オプション装備等を除く)
※車両重量はオプション装備等を除く
※新車時価格は最終型(特別仕様車を除く)のメーカー希望小売価格(税込)

シグナス(LX470)とランドクルーザー100で共通するメカニズム

ランドクルーザーシグナス(LX470)とランドクルーザー100はメカニズムのほとんどを共有しています。まずエンジンでは、ランドクルーザー100が4.7リッターV8ガソリンの2UZ-FE(235PS、43.0kgm)と4.2リッター直6ディーゼルターボの1HD-FTE(205PS、44.0kgm)を持つのに対し、シグナスには4.7リッターV8ガソリンのみが採用されました。もともと北米市場をはじめとする先進国では高級SUVのエンジンは大排気量で静粛性の高いV8ガソリンエンジンが主流であったためで、このV8はランドクルーザー100に搭載されるものより一層厳しいチェックを経てシグナスに積まれています。トランスミッションはランドクルーザー100同様のATのみの設定。デビュー当初は4速(ECT-i)でしたが、シグナスでは2002年8月のマイナーチェンジの際に5速(5 Super ECT)へと進化しました。4WDシステムはセンターデフ(電動ロック式)を備えるフルタイム式で構造や機能はごく一般的なものですが、オンロードではVSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)、オフロードではアクティブTRC(トラクションコントロール)がそれぞれサポートして、ドライブの安全性とオフロードでの高い走破性を確保しています。そして何より高級SUVにふさわしいサスペンションとしてシグナスにもランドクルーザー100同様にAHC(アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション)&スカイフックTEMSが採用されました。ショックアブソーバーの油圧システムを電子制御することで、きわめてジェントルなソフトライドとダンピングの効いた安定性をもたらし、同時に任意で車高を調整することで乗降性やオフロード走破性を高めるという機能はランドクルーザーシグナスにこそふさわしい高級メカと言えるでしょう。

シグナス(LX470)&ランドクルーザー100・共通メカニズム&主要標準装備

◎メカニズム

◎安全

◎外装

◎計器盤&操作性

◎シート

◎オーディオ

◎空調

◎その他

価格差以上のランドクルーザーシグナス&LX470専用装備

ランドクルーザーシグナスの価格は同じV8ガソリンエンジンを積んだランドクルーザー100の最上級グレード、VXリミテッドGセレクションより70万円ほど高めです。しかしその内容を比べるとシグナスの価格が割安に感じるかもしれません。シグナスの専用装備は以下の表にあるとおり多岐にわたっています。エクステリアの違いは上記で述べたとおりマスク、テール、アルミホイールなどに代表されるものの、形の違いだけでなく機能や質の違いの多さはまさにプレミアムSUVと呼ぶにふさわしいものばかりです。

ランドクルーザーシグナス専用装備

マイナーチェンジごとに高まるシグナスの充実度

ランドクルーザーシグナス 仕様&装備の変遷

1998年12月 誕生

ランドクルーザー100の誕生から1年後にランドクルーザーシグナス登場

1999年8月 一部改良

オンロードの安全走行を支援するVSCとオフロードでの走破性を高めるアクティブTRCを採用。エレクトロマルチビジョンをDVDナビ&オーディオとのセットでオプション設定。

2001年1月 特別仕様車を設定

ランドクルーザー生誕50周年記念の特別仕様車がランドクルーザー100とともにシグナスにも設定。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン、アルミホイールはクロームメッキ、ルーフレールはボディ同色とした。

2002年8月 マイナーチェンジ

ATを4速から5速(5Super ECT)にグレードアップし、ステアリングには優れた操縦性・走行安定性を実現するギヤ比可変ステアリングシステムVGRSを初採用。安全装備として近赤外線の利用で夜間の視界を遠くまで広げるナイトビューをオプションで設定した。またオーディオでは米マークレビンソン社のプレミアムサウンドシステム、セキュリティ機能ではエンジンイモビライザーシステムに加えオートアラーム機能も備えた。外観ではフロントグリルのデザインを小変更。インパネはセンター部のボリュームアップで各機能の視認性&操作性がアップ。

2003年8月 一部改良

ナビゲーションシステムにG-BOOKなどのトヨタ最新機能が盛り込まれ、バックガイドモニターも同時に採用。ナビゲーションシステムは高速化により経路探索、情報検索、スクロールなどの処理時間を大幅に短縮するとともに3メディア(FM多重、電波ビーコン、光ビーコン)内蔵のVICSを新設定。Bluetooth対応ハンズフリーによる情報ネットワークサービスG-BOOKでサポートを受けられるようになった。

2005年4月 マイナーチェンジ

フロントグリル、リヤコンビネーションランプ、アルミホイールのデザインを変更して高級感がさらに高められた。ヘッドランプには対向車の防眩に役立つ光軸調整用ヘッドランプレベリング機構(マニュアル式)を導入したほかブレーキランプはLED化。V8ガソリンエンジンは燃費を向上させ平成22年度燃費基準を達成している。また特別仕様車として内装にストーン色を採用した「インテリアセレクション」を設定。

2006年3月 特別仕様車を設定

ランドクルーザー100とともに特別仕様車の“60thスペシャルエディション”を設定。専用黒本木目のステアリングホイールとシフトノブ、専用黒木目調パネル(センタークラスター、フロントコンソール、パワーウインドゥスイッチベース)、G-BOOK対応DVDナビゲーション付EMVを装備。

ランドクルーザーシグナス グレード解説

ランドクルーザーシグナスにはグレードがありません。レクサスLX470と同じモデルとはいえ、日本ではランドクルーザー100の最上級グレードであるVXリミテッドGセレクションのさらに上位のグレードと捉えるのが妥当でしょう。ただしシグナスの仕様や装備はランドクルーザー200の登場(2007年7月)とともにその名が消滅するまでに大きく変化していることや、ナイトビューやマークレビンソン・オーディオなど高価なメーカーオプションの追加によって、年式違いでグレード展開に相当する仕様や装備が存在することは確かです。また、特別仕様車の存在もグレード違いと見ることができるでしょう。最初の特別仕様車は2001年のランドクルーザー生誕50周年記念モデル。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインでアルミホイールをクロームメッキ、ルーフレールをボディ同色としているのが目立った特徴です。照明付きエアロサイドステップにも注目が集まりました。次は2003年8月に登場した“プレミアムエディション”でした。これは専用ボディカラーのプラチナムトーニングをまとい、内装がアイボリーでまとめられ、マークレビンソン、照明付きサイドステップ、G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション、カラーバックモニター等を標準装備した究極のプレミアムグレード(620万円)と言えます。また2005年4月から販売された“インテリアセレクション”はオリーブマイカメタリックのボディにストーン色のインテリアとし、リヤデフレクター、バンパー同色ヘッドランプクリーナー、専用ロゴ入りのスカッフプレートを標準装備(588万円)。そして最後の特別仕様車は2006年4月発売の“60thスペシャルエディション”(トヨタ店設立60周年記念)です。これは4種類のボディカラーを備え、黒本木目のステアリングホイール&シフトノブ、黒木目調パネル(センタークラスター、フロントコンソール、パワーウインドゥスイッチベース)、G-BOOK対応DVDナビゲーション付きEMVを標準で装備しました(636万円)。ランドクルーザー・プラドなどの特別仕様車では専用装備が付加されながらもリーズナブルな価格とする傾向にありますが、シグナスでは魅力的な高級装備を大胆に導入することでより高価な特別仕様車を設定しています。シグナスの特別仕様車はタイムセールされた超高級“グレード”なのです。

ランドクルーザーシグナス 中古車選びのポイント

ATとオプション装備の違いをじっくりチェックしよう

ランドクルーザーシグナスの中古車はそう多くありません。LX470はもちろん海外仕様車なので逆輸入で入ってきた中古車ということになり、さらに希少車となります。国内の中古車市場ではランドクルーザー100がおおよそ300台、シグナスは多くてもその3分の1も出回っていませんしLX470に至ってはわずか2~3台です(’16年3月現在)。好みの年式や装備を決めておいて、見つけた時点で購入を即断する覚悟が必要かもしれません。狙い目は、2002年のマイナーチェンジ以降でVGRSやイモビライザーを標準装備した5速ATモデルあたりを基本としたいところ。その上でプレミアム性にこだわるのであればG-BOOK搭載で機能充実のエレクトロマルチビジョンが付いたものや、マークレビンソン、ナイトビューなどの高級オプションが付いたものを探すのが良いでしょう。価格相場は2002年までの初期モデルで130~200万円、2002年以降車は200~400万円とオプションなどの装備内容によってそれぞれ幅があるので、装備内容の違いは十分にチェックする必要があります。

シグナスはやはりレクサスという特別なクルマ

シグナスランドクルーザー100・VXリミテッドGセレクションのさらに上級のグレードと捉えることで日本におけるそのポジショニングが理解できると述べました。しかしシグナスはレクサスLX470と同じクルマですから、実際にはランドクルーザーとは異なる価値を持った別のクルマです。仕様や装備ではランドクルーザー100との差別性が際立っていて、オプションも高級ホテルの調度品のように付加価値の高いものばかり。ランドクルーザー100も十分に高価で高級なSUVなのですが、レクサスでもあるシグナスの“高級の定義”はランドクルーザー100とは明らかに違います。販売終了から10年近く経とうとしていても400万円台の中古車が存在するのは、時代が変わってもその価値が揺るぎないものであることを意味しています。他の人とは違うランドクルーザーに乗りたい、あるいは憧れのレクサスを安価で手に入れたいというファンのためにシグナスは今、中古車として存在しています。

ランドクルーザーシグナス オススメの中古車在庫

執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。