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2019.8.1

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【Vol.5】アスリートと音楽について

2019.8.1

連載:Renoca Adventure

アスリートと音楽について

大事な試合前、出場選手がヘッドフォンをしながら集中している姿をよく目にする。集中力やテンションを高めるためだったり、気持ちを落ち着かせるためだったり、そのアーティストのファンであったりと、選曲理由は選手によってさまざまだ。理由は異なれど、アスリートにとって音楽というのは、結果につながる大切なものだといえる。

アスリートと音楽

我が家には常に音楽がある

僕は音楽にこだわりがない。特別お気に入りのアーティストもいない。レース前はスタートギリギリまで準備にバタついているので、音楽を聴く余裕なんてない。 一方、11歳の娘はとにかく音楽をよく聴く。家の中ではもちろん、外出先でもヘッドフォンは常備だし、移動中の車の中でも、常に音楽を聴いている。ある意味、無味乾燥した生活を一変させ、毎日音楽のある潤った生活になったのは娘の影響でもある。彼女が聴くのは、J-POP、洋楽、クラッシックなどなど、ジャンルにはこだわりがないらしい。ゆえに、家の中でも常にいろんな曲が流れている。娘は「音楽を聴くと、アゲアゲになったり、リラックスしたりし、癒しになったりする」という。

ここぞという時のBGM

レース風景

2017年から2018年にかけて、『クレイジージャーニー』というTBSの番組に、僕たちのレース風景を取り上げていただいた。2018年はスペシャルとして、ゴールデンタイムにも登場させてもらっている。番組の構成上なのか、辛いレースも、ただ辛いだけではなく、分かりやすく、ユーモアたっぷりにナレーターが解説を入れ、スタジオではダウンタウンの松本人志さん、バナナマンの設楽統さん、女優の小池栄子さんが、天才的なトークで盛り上げてくれた。

レース風景
レース風景
レース風景

チーム内のいざこざ、疲労困憊、ケガなど、さまざまな紆余曲折を経て、最後のセクションに入る際に「泣いても笑っても残り220㎞!」というナレーションが入り、そこで流れたのがColdplayの『Viva da Vida』だった。静かな曲の中にも、熱い信念を感じられる曲調が、この場面にとてもしっくり来た。 その時からだ、『Viva da Vida』が僕の「ここぞ」という時に想う曲になったのは。娘の言葉を借りるとすれば、この曲でアゲアゲになる。そう、力が出るのだ。音楽というのは実に不思議なものだ。 しかし、歌詞の意味と、僕の気持ちが遠く離れているのを知ったのはここ最近のこと(笑)。 そう言えば、最後の力を振り絞るこのシーンで、「ラスト220㎞!」のナレーションに「ラストって言わねーし」と松本人志さんが突っ込んでいたっけ(笑)。

車内ステレオは必須

車内ステレオは必須

交通機関がもっぱら自家用車の我が家では、車内搭載のステレオスピーカーが必須になる。Team EAST WIND号はBlue Toothで操作ができ、前後にステレオがあることで、重厚になる音が気持ちを更に盛り上げる。夢に向かって進んでいることを応援されているようで、厳しいトレーニングも前向きにこなしていける。 音楽が結果につながるというのも、あながち伝説ではないと感じている。これからは準備する時も音楽を聴いく余裕をもって、面倒な準備であってもアゲアゲ気分になるのもいいのではないかと思う。

田中正人さん

著者:田中 正人TANAKA MASATO

1993年第1回日本山岳耐久レースで優勝し、それがイベントプロデューサーの目に留まり、レイドゴロワーズ・ボルネオ大会に間寛平チームとして出場。日本人初完走を果たす。 以降、8年間勤めた化学会社を辞め、プロアドベンチャーレーサーに転向。数々の海外レースで実績を作り、国内第一人者となる。
現在、海外レースに出場する一方で、国内イベントの企画、運営及び講習会や、若手育成、アウトドアスポーツの普及振興にも携わる。また、自身の経験を活かし「人間が学ぶものは全て自然の中にある」をテーマに全国で講演を展開する。