Renoca by FLEXRenoca by FLEX

2019.11.21

adventure11_0

【Vol.11】NHK BS『グレートトラバース・三百名山ひと筆書き』の田中陽希 みなかみへ

2019.11.21

連載:Renoca Adventure

チームイーストウインドの主要メンバー!

すっかり山の人で有名となったNHK BSグレートトラバースの田中陽希(以下:陽希)だが、実はチームイーストウインドの主要メンバーである。教員の道を進もうとしていた彼は、チームイーストウインドのコンセプトに目が留まり、大学を卒業した2007年にイーストウインドのトレーニング生として、みなかみ町にやってきた。 当時、ラフティングはもちろん、リバースポーツもまともに経験がなかった陽希だったが、上達は早く、あっという間にリバーガイドになった。そしてアドベンチャーレースの新しい競技種目の呑み込みも早かった。個人的な見解だが、これは彼が幼少期から多くの実体験を経てきているからだと思う。
3歳のときに富良野に移住した陽希家は、暖炉だけのログハウスに住み、山の木を伐り出しての薪割りも日課だったという。手や足などカラダ全体を使って学んできたことが多いから、様々な事柄に具体的なイメージを持って取り組むことができ、自然とカラダが順応していくように思うのだ。

三百名山ひと筆書きに挑戦中!

三百名山ひと筆書きに挑戦中!

そんな陽希は2008年4月にトレーニング生を卒業し、正式メンバーとなった。しかし、世界中のアドベンチャーレースに出ているうちに自分自身の壁を感じ始めた。 世界の強豪チームは、各選手が自立していて、それぞれの世界で結果を出している事が多い。そこで彼は、イーストウインドをより強いチームにするため、ひとりの力で挑戦して結果を出してみようと2014年に百名山ひと筆書きに挑戦をすることにした。
彼のこの挑戦に僕は大賛成をした。ただ百名山ひと筆書きの旅は時間がかかるし、陽希がいない間はチームにとっても痛手である。しかし、彼自身が大きく成長するチャンスでもある。メンバーの決断であれば、チームメイトとして、仲間として、先輩として、しっかり背中を押して力いっぱい応援していこうと思った。
そして公言どおり、陽希は約7800kmを208日11時間で百名山踏破という快挙を成し遂げた。その後のことはここに書くまでもなく、次々とより高い目標を達成し、現在は三百名山ひと筆書きに挑戦中である。この三百名山達成までにあと80座。これを終える頃、陽希の成長はきっと僕の想定範囲を大きく超えていることだろう。近い将来、陽希がイーストウインドをどう引っ張っていくかを今から楽しみにしている。 がんばれ、よーき!

田中正人さん

著者:田中 正人TANAKA MASATO

1993年第1回日本山岳耐久レースで優勝し、それがイベントプロデューサーの目に留まり、レイドゴロワーズ・ボルネオ大会に間寛平チームとして出場。日本人初完走を果たす。 以降、8年間勤めた化学会社を辞め、プロアドベンチャーレーサーに転向。数々の海外レースで実績を作り、国内第一人者となる。
現在、海外レースに出場する一方で、国内イベントの企画、運営及び講習会や、若手育成、アウトドアスポーツの普及振興にも携わる。また、自身の経験を活かし「人間が学ぶものは全て自然の中にある」をテーマに全国で講演を展開する。