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2020.9.30

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【Vol.29】カヤックトレーニング!

2020.9.30

連載:Renoca Adventure

カヤックトレーニング!

今回のチームトレーニングはカヤック。その中でもシーカヤックを使って、パドリング技術の確認や漕ぎ続ける体力を付けるトレーニングを行った。
「海なし県の群馬県でシーカヤック?」と思う人もいるかもしれないが、僕たちの活動拠点のみなかみ町には海の代わりにキレイな「湖」がいくつもある。関東の水瓶とも呼ばれる「ダム湖」があるのだ。

秘境「奥利根湖」

秘境「奥利根湖」

今回向かったのは、みなかみ町にあるダム湖の中でも最北端にある奥利根湖。
山間にあり、標高は800m近いので、湖を囲う景色は緑と岩に覆われてどこか海外の景色を眺めているようだ。
鳥が翼を広げたかのような形をした奥利根湖で、両翼の山々から冷たい雪解け水が流れ込んで湖を満たしてくれている。
中には滝で湖と出合っているポイントなどもあり、カヤックで観るその景色はまさに絶景だ。
そんな秘境の地である奥利根湖は、スタートポイントから翼の先端まで約8㎞もある。
今回はそんな鳥の形をなぞるようにして、グルリと1周することにしてみた。

効率の良い漕ぎを目指して

このトレーニングを行う何日か前に改めて漕ぎ方を習う機会があり、そこで学んだパドリングを定着させることを課題にスタートした。
学んだパドリングを思い出しながら身体で体現していく。
最初のうちはまだ学んだ事のひとつひとつがリンクせずに、ポロポロと出てくる感覚だったが、だんだんと出てきたものが噛み合ってひとつの動きで連動して行く感覚は爽快だった。
しかし大事なのは、このリンクしてきた動きをどこまで長く続けられるかなのだ。
僕らが出場する海外のアドベンチャーレースは、ひとつのパドルセクションで30~40kmは当たり前に漕がせてくる。
レースで必要なのは「どれだけ長く、効率の良いパドリングができるか」なのである。

効率の良い漕ぎを目指して

歓迎すべき痛み?

歓迎すべき痛み?

30kmを過ぎて奥利根湖1周も残すところあと5分の1といったところだ。これまでのカヤックで経験した事の無い場所に痛みが出始めていた。お腹周りの筋肉の痛みだ。じわじわと痛み始め、だんだんとその主張を増してくる。
新しく体得したこのパドリングで体幹がしっかりと使えるようになったと嬉しい反面、漕ぎ続けるパワーが落ちてきている事に焦りを感じる。
気が付けば序盤と比べてもひと漕ぎで進む力がだいぶ落ちている。途中何度かパドリングを止める事があったが、弱りながらもなんとかだましだましパドリングを続けて奥利根湖1周を成し遂げる事ができた。
おかげで学んだパドリングがだいぶ自分に馴染むようになった。ここから先はこの学んだパドリングを続ける力を付ける事に注力したい。他にもまだまだクリアして行かなければならない課題は山ほどある。地道に、楽しみながら、課題を設けて挑戦したい。

安田 光輝さん

著者:安田 光輝KOUKI YASUDA

通称キラリン。明治大学卒業。 在学時はワンダーフォーゲル部の主将を務め、卒業後は登山用品店に勤務する、文字通りの山男。満面の笑顔の中に熱い挑戦心をひそめ、「アドベンチャーレースを通じて、自分の身体がどこまで自然の奥深くまで到達できるのか試したい!」という思いを実践中。これまでに培った山の技術に加え、現在はカッパクラブでリバー技術を学びながら世界レースの舞台でトップになるために日々修練に励む。