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2021.7.14

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【Vol.49】アドベンチャーレースと食

2021.7.14

連載:Renoca Adventure

食料の準備も自分たちで

アドベンチャーレースについて聞かれるときに多いのは、食事に関する質問だ。
レース中は、必要な食料は自分たちで運び、行動しながら食べる。装備の入れ替えができるポイントから次のポイントまでの、必要な分を計算して準備する。各区間の距離や想定される日数など、その時々で環境は異なってくるので、それに適した食料と量を準備する必要があるのだ。
軽くて高カロリーなものに加えて、「行動しながら食べることができるもの」という条件が付いてくる。時には、自転車やカヤックに乗りながらでも食べられるチョイスが必要だ。

お食事は計画的に

計画的な補給は、長期間にわたるレースを左右する重要なスキルだと思う。単調になりやすいレースシーンにおいては気晴らしになるし、ある種の精神安定剤にもなる。
僕は一日当たり約4500kcalの食料に加えて、カフェインも相当量摂取する。
レースが終盤になる頃には胃はボロボロ。消化が速い食料と遅い食料は、摂取のタイミングをずらさないと消化不良の原因になる。粉末のアミノ酸も摂取するが、タイミングを間違うと浸透圧の関係で、これもお腹を壊す原因になる。その時の気分だけで食べていたのでは、すぐに不調が出てしまうのだ。
栄養を効率よく吸収できないとレースを続けられない。とはいえ、食事としての楽しみを求めすぎると食料の種類が増えてしまい、何を食べようか迷って脳が疲れる。これはデメリットのひとつに数えたい。
食糧計画のポイントを抑えると、僕は以下のような基準で補給をしている。
・一日当たり約4500kcalをこまめに摂る。
・カフェインやアミノ酸を一度に大量摂取しない。
・食料の種類は5種類くらいに抑え、できるだけ消化のいい物を選ぶ。
・甘い物の次には必ずしょっぱい物を食べて味覚を刺激する。

補給メニューは十人十色

補給メニューは十人十色

さて、僕の例ばかりを述べてきたが、チームメンバーの食料を見るとそれぞれに個性がある。
隊長(田中正人)は甘いものに加えて、食料の種類を多くしている。
キラリン(安田光輝)はグルテンアレルギーなので、グルテンフリーの食材で構成するが、海外レースではかなり苦労しているようだ。
他のチームもさまざまで、直前に大量のサンドイッチを作って、それをメイン食料としてレースに挑むチームがいたり、メンバー全員が2種類のジェルとチョコバーのみで補給をシステム化しているチームもいたりした。
僕たちイーストウインドも試行錯誤が続いている。
皆さんも日々の食事の中で、アドベンチャーレース的なメニューやカロリーの摂取方法を考えてみてはどうだろうか?
コロナ禍での単調な食事にバリエーションになるかもしれない(?)

米元 瑛さん

著者:米元 瑛YONEMOTO AKIRA

通称ヨネ。幼少期から登山を始め、大学時代は探検部でラフティングに没頭。子どもの頃に観たアドベンチャーレースに憧れ、イーストウインドのトレーニング生となる。明るい性格と若い力でチームを盛り上げる。現在はカッパクラブでリバー技術を学びながら、世界レースの舞台でナンバーワンになるための修練に日々励む。