新型ハイエースの登場はいつ? 工場移管などの生産体制変更から読み解くフルモデルチェンジのタイミングやその内容は? | フレックス

新型ハイエースの登場はいつ? 工場移管などの生産体制変更から読み解くフルモデルチェンジのタイミングやその内容は?

ハイエースの記事|,,,,

  • 投稿日:2025/8/17
  • 更新日:2025/8/17
ハイエースのフルモデルチェンジ

とうとうトヨタ・ハイエースのフルモデルチェンジが近づいてきました。20年以上にわたって作り続けられてきた200系ハイエースから、次期モデルへとバトンタッチする瞬間がようやく訪れそうです。工場の移転や生産体制の変更などから、フルモデルチェンジの内容やその時期を探ります。なお、この記事には生成AIによる想像イラストが含まれます。

ハイエースのフルモデルチェンジで現在わかっていること

ハイエースのフルモデルチェンジについて、各メディアからさまざまな情報が出ていますが、トヨタが公式でアナウンスしたものではなく、いずれも断片的な情報を元に構成した予測のようなものです。

しかし、いくつかのヒントや関連するニュースなどから読み解けることがあります。2025年8月の時点で判明している、またはほぼ確定と言えるのは、

①デビュー時期は2026年度中

②キャブオーバータイプからノーズがあるセミボンネットタイプになる

③ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンに加えて、ハイブリッド、そしてBEVが加わる

④しばらくは従来型である200系ハイエースの併売がされる

では、それぞれの項目について解説してみましょう。

新型ハイエースは2026年度中か?

トヨタから生産工場の変更が発表1されました。正確にはトヨタ車体が、商用車の競争力をさらに強化するために、現在アルファードとヴェルファイアを生産している三重県・いなべ工場を商用車専用の工場へと変更するというものです。

現在大いに販売台数を伸ばしている現行アルファードとヴェルファイアの生産能力をさらに引き上げるためとも取れますが、トヨタ車体は2025年に生産台数を80万台に増やすという計画も発表していますので、乗用車と商用車それぞれの生産体制の整理して効率を上げていくという動きでしょう。

自動車組み立て工場イメージ

生産工場の変更とひと口に言っても、ラインの仕様変更や約30,000点に及ぶパーツ2の流通、スタッフの習熟など、必要な工程は無数にあり、あらゆる面で時間と工数が必要になります。生産ラインを止めることは、部品やそこで作業する人の流れを止めることであり、生産計画も大幅な修正が必要です。

自動車組み立て工場イメージ

このことから、今回の変更は単純な工場の生産体制の変更ではなく、次期ハイエースの生産が組み込まれていると考えるのが自然です。ハイエースはトヨタの屋台骨であり、絶対に外すことのできない車種です。新型ハイエースの立ち上げをいなべ工場で行うのか、それとも岐阜車体工業の本社工場で行うのかは定かではありませんが、いずれにせよこの変更が大きく絡んでくるのは間違いないでしょう。

となると、ハイエースのフルモデルチェンジのタイミングは2026年度中、発売は遅くとも2027年前半頃までには行われると予想されます。

セミボンネット型ボディへの移行

ハイエースのフルモデルチェンジ

200系のデビューは2004年です。つまりその設計は20年以上前ということになります。それからさまざまな改良を重ねることで安全性能や環境性能を引き上げて、法規制をクリアしてきました。改良(=マイナーチェンジ)は行われてもフルモデルチェンジが行われてこなかったのは、パッケージングや使い勝手のよさ、そして耐久性の高さなど、ハイエースを使う人から圧倒的な支持を得ていたからです。

しかし、フルモデルチェンジとなると話は別です。自動ブレーキやバックカメラは必須となりますし、OBD検査の対象車種にも入ります。予防安全性能や衝突安全性能の強化も求められます。

グローバルハイエースBEVコンセプト

衝突安全性能では、200系のキャブオーバー型よりもセミボンネット型の方が圧倒的に有利であり、現に海外で活躍する300系は短いノーズのあるセミボンネット型ボディが採用されています。

新たに開発される車両は乗員保護は必須の項目。というわけで、次期ハイエースはセミボンネット型へと移行することになるでしょう。

悩ましい全長と室内長の問題

ハイエースはパッケージングや使い勝手のよさが魅力と述べましたが、コンパクトなボディに荷物や人がいっぱい積めるので、仕事での活用はもちろん、プライベートでも大活躍しています。

トヨタ・グランエース

しかし、セミボンネット型ボディでは問題が発生します。伸びた鼻先の分を全長にそのまま反映すると、現在の200系標準ボディ(ロング)で5.5m以上、スーパーロングでは6mに限りなく近くなるでしょう。これは欧州などの商用車ではよく目にするサイズで、例えばメルセデス・ベンツの商用車「スプリンター」では、一番小さいL1H1で全長5,267mm/全高2,356mm、L2H2で全長5,932mm/全高2,620m(全幅は共通で2,345mm)ですが、いずれも日本では取り回しが難しくなりそうなボディサイズです。

300系ハイエース

では、現行同様にロングで5m以内、スーパーロングでも6mを切る全長に収めるにはどうすればいいでしょうか?

削れるのは荷室のみ。となると、3mという荷室長を確保するのは難しくなります。長尺の荷物を載せているユーザーにとって、荷室の長さが200系よりも短くなるのは歓迎できないでしょう。

ガソリン/ディーゼルエンジンの他、ハイブリッドやEVモデルも登場?

新型ハイエースに搭載されるエンジンは、200系同様にガソリンとディーゼルとなるでしょう。また、ハイブリッドやBEVモデルも追加されるはずです。環境性能と走行性能の両立を考えるとハイブリッドエンジン搭載のハイエースはとても魅力的です。

300系ハイエース

バンはディーゼルがメインでハイブリッドとBEV、ワゴンはハイブリッドがメインでガソリンとBEVというラインアップになるのではないでしょうか。

TNGAプラットフォームの採用

エンジンの搭載位置変更は同時にプラットフォームの変更も意味します。フルモデルチェンジするハイエースではTNGAに則った次世代商用プラットフォームに変更され、低重心化や高剛性化による走行安定性の向上や環境性能の向上などが期待できます。

グローバルハイエースBEVコンセプト

また、ハイエースは用途に応じて多種多様な仕様が求められますが、TNGAプラットフォームでは効率的な車両設計も得意としているので、ボディ形状はもちろん、動力や駆動方式、パッケージングなどで、多くのバリエーションを用意することができるでしょう。

新型と200系ハイエースは併売

新型はすでに2019年に海外で発表されている300系をベースにナローボディ化したモデルか、BEVコンセプトとして発表されたモデルなどが予想されており、いずれも衝突安全の性能を考慮したセミボンネット型になるでしょう。

しかし、日本国内の強固で熱烈な支持層からは「3mの荷室長を保持して欲しい」という声が挙がっています。このことから現行モデルである200系を併売する可能性があり、期間は2030年までという話も出ていますが、いずれの噂も真偽の程は不明です。

フルモデルチェンジまでFLEXの200系ハイエースで

ハイエースのフルモデルチェンジについて、ほぼ確定になっていることやおそらくはそうなるであろといったことについて解説してみました。300系として新型ハイエースはすでに海外では活躍していますが、日本では2024年10月のグランエースの終了以降、同モデルをベースにした商用車の声は聞こえてきません。しかしこのまま200系を延命させるとしても、さすがに限界があると言わざるを得ません。やはりここ1〜2年の間にフルモデルチェンジするのが自然な流れでしょう。

このようにニューモデルの登場まではまだ少し時間がありそうです。成熟した200系ハイエースで、フルモデルチェンジまで楽しんでみてはいかがでしょう? ハイエースは価格が下がりにくい車種なので、次のモデルの登場まで乗ってもそれほどプラスせずに乗り換えることができるでしょう。便利パーツやカスタムパーツもたっぷりありますので、自分仕様の1台を作るのもいいですね。

出典

  1. トヨタ車体『トヨタ車体、将来の商用車開発・生産を強化』
  2. 岐阜車体工業株式会社『ハイエースができるまで』

執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。

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