【車好き必見】トヨタ ランクル71、76って何? ランクル70の車両型式と呼称を徹底解説 | フレックス

【車好き必見】トヨタ ランクル71、76って何? ランクル70の車両型式と呼称を徹底解説

ランクル70の記事|, , , , ,

ランドクルーザー71、76って何? ランドクルーザー70バンのいろいろな型式について

複雑でわかりにくい、ランドクルーザー70バンの型式

1951年の誕生当初からしばらくランドクルーザーは単一モデルでしたが、のちに派生モデルが急速に増え、ランドクルーザーファミリーは大所帯になります。その中でも1984年の誕生から海外では今も現役のランドクルーザー70系にはさまざまな型式があり、ランドクルーザー好きでもすべては把握できていないかもしれません。

ランドクルーザー70系はモデルサイクルが長いことに加え、輸出先がほぼ全世界となっていることから豊富なバリエーションをもっています。シャシーやボディの仕様はメーカーのオリジナルに加え、輸出先国のコーチビルダー等によってアレンジされたものもあります。旅行で訪れた外国の地で、見たことのない形のランドクルーザー70系に出会ったファンもいることでしょう。

ここではランドクルーザー70系を判別するための車両型式の種別や、ファンの間で語られる数字の愛称について解説します。ナナマルというのは70系すべてに共通する基本的な呼称です。ナナサン、ナナヨン、ナナナナなどはどのモデルを指すのか。こうした謎を知ることで中古車の購入に役立つだけでなく、ランドクルーザー70系の世界をより深く理解するための足がかりになるでしょう。

おすすめのランクル70

日本仕様のランドクルーザー70は3つのボディスタイルがすべての基本

日本仕様のランドクルーザー70は3つのボディスタイルがすべての基本

トヨタ車に共通する英数字の組み合わせで構成される型式

車両型式とは自動車メーカーが定め、国によって認められたそのクルマのいわば本名です。車検証にも記載されているので、ランドクルーザーのファンでなくても目にしたことがあるかもしれません。その車両型式を構成する英数字の中で、すべてのランドクルーザーに共通する記号は“J”。もともとアメリカが軍用として開発したJeep(ジープ)が4WDの基本スタイルとされていた時代に、ランドクルーザーが“ジープタイプ”というカテゴリーのクルマとして認識されたことが“J”とされた理由です。それ以外の英数字は搭載エンジンやボディ形式の違いを表しています。例を挙げて説明しましょう。

例)車両型式:KG-HZJ76K

このモデルは4.2リッター直列6気筒ディーゼルエンジンを積んだランドクルーザー70バンの4ドア/セミロングです。2014年の再販モデルを除いた旧タイプの国内向け最終型で、1999年8月から国内販売終了の2004年7月まで生産されました。先頭の“KG-”は排気ガス規制の区分で、この場合は平成9年規制適合車であることを意味し、正式にはこれを含めて車両型式となります。それ以降、このランドクルーザー固有の英数字の意味は次のとおりです

  • HZ=搭載エンジン(1HZ型4.2リッター直列6気筒自然吸気ディーゼル)
  • J=車両記号(ランドクルーザー)
  • 76=ボディスタイル(4ドア・セミロング 1999年~2004年)
  • K=登録区分(バン・貨物車:年式によって「V」もあり)

こうした英数字の組み合わせはどの自動車メーカーの車種でもほぼ共通です。ランドクルーザーを含めトヨタ車の場合は先頭から、エンジン種別、車両記号、ボディスタイル(生産期間)、登録区分(ワゴン・バンなど)という組み合わせになっています。

前項で挙げたナナサンやナナナナという愛称は、車両型式のうちのボディスタイルを意味していることになります。モデルを特定する個々の車両型式を列挙する前に、車両型式を構成する英数字の内容について説明しましょう。

旧型のランドクルーザー70系はすべてディーゼルエンジンを搭載

旧型のランドクルーザー70系はすべてディーゼルエンジンを搭載

国内で販売されてきたランドクルーザー70(プラドを除く)に搭載されているエンジンの種類は、2014年の再販モデルを含めると5種類があります。

まず先代ランドクルーザー40から受け継いだ3.4リッター直列4気筒ディーゼルの3B型と、それを直噴ターボ仕様に改良した13B-T型。この2機種は1990年を最後に廃止され、のちに最も長く、最も多くのモデルで搭載された1HZ型に置き換わります。前項の例でも挙げましたが、1HZ型は4.2リッターの直列6気筒ディーゼルエンジンです。これとシリンダーブロック等を共有する他のディーゼルエンジンにはランドクルーザー80などに搭載された直噴ターボの1HD-T、1HD-FTEがあります。

また、1HZ型と同時期に登場したモジュラーエンジンで3.5リッター直列5気筒ディーゼルとする1PZ型もありました。1PZ型は1HZ型から1シリンダー省いたもので基本的な構造は共通。ラインナップの中でベースグレードに搭載されていました。

シンプルな仕様が身上のランドクルーザー70はグレード分けを明確にするため、排気量の異なる兄弟エンジンを積み分けていたというわけです。しかし、1PZ型は排気ガス規制が厳しくなる中で廃止。1PZ型を搭載したランドクルーザー70は4年間生産されただけなので希少車と言えるでしょう。

もうひとつのエンジンが、2014年の再販モデルに搭載された1GR-FE型です。これは4リッターV6ガソリンエンジンで、ランドクルーザー150プラドFJクルーザーに搭載されたものと基本的に同じです。トルクの粘り強さではディーゼルエンジンの1HZ型に分がありますが、軽快によく回ることでディーゼル車とはひと味違うドライブフィーリングをもたらした、フレキシビリティと完成度の高さが自慢のV6ガソリンエンジンです。

以上の3つのエンジン型名のうち、先頭の数字を除いたアルファベットの基本記号、すなわちB、HZ、PZ、GRがそれぞれランドクルーザー70の車両型式の先頭に使われています。

そして2023年には、ついにランドクルーザー70の再再販モデルが発表されました。このモデルに搭載されるのは、1GD-FTV、直列4気筒2.8リッターディーゼルターボエンジンです。この1GD-FTVは、150プラドやハイエースなどに搭載されている、実力と定評のあるエンジンで、ランドクルーザー250にも搭載される予定です。

ランドクルーザー70(バン)に搭載されたエンジン

エンジン型式 型式 総排気量 最高出力 最大トルク
3B 直4・OHVディーゼル 3431cc 98PS/3,500rpm 23kgm/2,200rpm
13B-T 直4・OHVターボディーゼル 3,431cc 120PS/3,400rpm 29kgm/2,000rpm
1PZ 直6・SOHCディーゼル 3,469cc 115PS/4,000rpm 23.5kgm/2,600rpm
1HZ 直6・SOHCディーゼル 4,163cc 135PS/4,000rpm 28.5kgm/2,200rpm
1GR-FE V6・DOHCガソリン 3,955cc 231PS/5,200rpm 36.7kgm/3,800rpm
1GD-FTV 直4・DOHCディーゼル 2,754cc 204PS(150kW)/3,000〜3,400rpm 51kgm(500Nm)/1,600〜2,800rpm
ランドクルーザー70のボディスタイルは3種類

ランドクルーザー70のボディスタイルは3種類

日本仕様のランドクルーザー70には大別して4つのボディバリエーションがあります。

ショートホイールベースでハードトップと幌仕様がある「2ドア・ショート」、ミドルホイールベースでルーフをFRPトップとした「2ドア・ミドル」、セミロングホイールベースでハードトップの「4ドア・セミロング」、そして再販モデルで日本初登場となったロングホイールベースでピックアップの「4ドア・Wキャブロング」です。

再販モデルには4ドア・セミロングもあり、エンジンやフロントマスクは違うものの旧タイプの4ドア・セミロングとほぼ同じスタイルと言っていいでしょう。

気づいたかもしれませんが、ランドクルーザー70のボディバリエーションは長さの異なるシャシーを基準に分類されています。以上の4つのボディバリエーションは車両型式の中で2ケタの数字で表されていて、排気ガス規制や構造変更など仕様が変更されるタイミングで以下のように変化しています。

  • 2ドア・ショート:幌=「70」→「71」 / ハードトップ=「70」→「71」
  • 2ドア・ミドル:FRPトップ=「74」→ 廃止 /「73」→「74」
  • 4ドア・セミロング:ハードトップ=「77」→「76」
  • 4ドア・Wキャブロング:ピックアップ=「79」
年代別ランドクルーザー70 型式一覧

年代別ランドクルーザー70・型式一覧

1984年の誕生からフルモデルチェンジを一度も受けていないランドクルーザー70(バン)。その歴史は大きく分けて5つの世代で構成されています。

はじめは先代ランドクルーザー40の4気筒ディーゼルエンジンを受け継いでいた1984年から1990年。次にエンジンが一新し5気筒ディーゼルと6気筒ディーゼルのモジュラーエンジンによってグレード分けされていた1990年から1994年。そして5気筒ディーゼルエンジンが省かれ6気筒ディーゼルエンジンのみのラインナップとなった1994年から1999年。国内販売の最終型ディーゼルとなりフロントサスペンションがコイルスプリング化された1999年から2004年。そして2023年に国内販売が復活して、これが現行モデルの第5世代となっています。

2014年に期間限定で再販されたガソリン仕様のランドクルーザー70はここでは世代としてカウントしていませんが、時代に応じて様変わりしてきたランドクルーザー70の車両型式をまとめると次のようになります。

1984年~1990年

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
BJ70 2ドア/ショート 3B
BJ70V 2ドア/ショート ハードトップ 3B
BJ71V(1985年~) 2ドア/ショート ハードトップ 13B-T
BJ74V(1985年~) 2ドア/ミドル FRPトップ 13B-T
BJ73V 2ドア/ミドル FRPトップ 3B

1990年~1994年

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
PZJ70 2ドア/ショート 1PZ
PZJ70V 2ドア/ショート ハードトップ 1PZ
PZJ77V 4ドア/セミロング ハードトップ 1PZ
HZJ77V 4ドア/セミロング ハードトップ 1HZ
HZJ73V 2ドア/ミドル FRPトップ 1HZ

1994年~1999年

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
HZJ70 2ドア/ショート 1HZ
HZJ70V 2ドア/ショート ハードトップ 1HZ
HZJ77V(HV) 4ドア/セミロング ハードトップ 1HZ
HZJ73V(HV) 2ドア/ミドル FRPトップ 1HZ

1999年~2004年

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
HZJ71 2ドア/ショート 1HZ
HZJ71V 2ドア/ショート ハードトップ 1HZ
HZJ76K 4ドア/セミロング ハードトップ 1HZ
HZJ74K 2ドア/ミドル FRPトップ 1HZ
HZJ74V(※) 2ドア/ミドル FRPトップ 1HZ

※フロントサスペンションがリーフスプリングからコイルスプリングに変更

2014年~2015年(再販モデル)

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
GRJ76K 4ドア/セミロング ハードトップ 1GR-FE
GRJ79K 4ドア/ロング Wキャブ(ピックアップ) 1GR-FE

2023年~(再再販・現行モデル)

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
GDA76W 4ドア/セミロング ハードトップ 1GD-FTV

海外モデルに存在するトゥループキャリア

ランドクルーザー70は世界を代表するグローバル4WDなので、ラインナップは輸出先の国や地域によって様々です。ボディスタイルや搭載エンジンでは日本仕様の旧ランドクルーザー70(バン)や再販モデル、再再販モデルに設定のない仕様が数多くあります。

例えば「トゥループキャリア」はその代表的なモデルと言えるでしょう。トゥループキャリアを直訳すれば「兵員輸送車」。そのボディは基本的にロングホイールベースの2ドア・ハードトップ。2ドアなのにロングでしかもピックアップではなくハードトップという特異なボディです。後席の乗員が軍用トラックのようにリアゲートから乗り降りすることからそのサブネームがついたようですね。トゥループキャリアは先代<ランドクルーザー40の時代に一時期日本でも販売されていましたが、主な輸出先はオセアニアや東南アジアの国々でした。ロングモデルだけあって運転席と助手席の後方空間は広く、リアシートを備えず完全に荷台となっている仕様や、折りたたみ可能なベンチシートを横向きに左右対向で配置して10名前後の乗車を可能とした仕様などがあり、ランドクルーザー70の時代になってからはさらに輸出先国が増え、事業者を中心に様々なユーザーに愛されるようになりました。

トゥループキャリアの車両型式(ボディスタイル)は、ランドクルーザー40の時代では「45」や「47」、ランドクルーザー70では「75」や「78」となっていて、例えばランドクルーザー70ではエンジンの違いや年式によって、HZJ75、FZJ78などが存在します。

ボディはただ長いだけでなく、2ドアの後方ボディが他のランドクルーザー70のボディより幅広にできているのが特徴です。エンジンは日本仕様でお馴染みの1HZ型ディーゼルエンジンのほか、ランドクルーザー80に載っている4.5リッター6気筒ガソリンエンジン1FZ-FE型の搭載車もあります。日本にも中古車としてわずかに逆輸入されていますので、FLEXランドクルーザー取扱店やランドクルーザーファンが集うイベント等で見かけることがあるかもしれませんね。

ランドクルーザー70プラドの型式と呼称もまとめてみました

“ナナハチ”が人気の70プラド

“ナナハチ”が人気の70プラド

ランドクルーザー70でも乗用車登録のプラドは、当然のことながら貨物車登録のバンとは異なる車両型式が付いています。ランドクルーザー70プラドのボディ/シャシーは2ドア・ショートと4ドア・セミロングの2種類。年式によってエンジンも2種類があり、前期(1990年~1993年)は2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボの2L-TE型、後期(1993年~1996年)は3リッター直列4気筒ディーゼルターボの1KZ-TE型がそれぞれ搭載されています。車両型式は次のとおりです。

1990年~1993年

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
LJJ71G 2ドア/ショート ハードトップ 2L-TE
LJ78G/W 4ドア/セミロング ハードトップ 2L-TE

1993年~1996年

車両型式 ボディ/シャシー ルーフ形式 エンジン
KZJ71G/W 2ドア/ショート ハードトップ 1KZ-TE
KZJ78G/W 4ドア/セミロング ハードトップ 1KZ-TE

ボディスタイルの数字の後のGやWは乗用車登録のワゴン車を意味しています。中古車として流通量が多く人気が高いのは4ドア/セミロングで、ファンの間では78(ナナハチ)と呼ばれています。以下はランドクルーザー70プラドに搭載されているエンジンの仕様です。

ランドクルーザー70プラドに搭載されたエンジン

エンジン型式 型式 総排気量 最高出力 最大トルク
2L-TE 直4・SOHCディーゼルターボ 2,446cc 97PS/3,800rpm 24.5kgm/2,400rpm
1KZ-TE 直4・SOHCディーゼルターボ 2,982cc 130PS/3,600rpm 29.5kgm/2,000rpm

ランドクルーザー70 オススメの中古車在庫

執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

記事評価&シェア

この記事を読んだ方におすすめ

FLEXの更新情報を配信中

いつも「FLEX」をご覧いただきありがとうございます。Facebook、Twitter、LINE@ にて更新情報を常時配信しています。また新着モデルなどは、ソーシャルメディアの方にて速報として配信しています。ぜひご利用ください。

あなたにおすすめ

ページトップへ