【最新版】トヨタ ランドクルーザー55:個人向けステーションワゴンとしてデザインされたモデル | フレックス

【最新版】トヨタ ランドクルーザー55:個人向けステーションワゴンとしてデザインされたモデル

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ランドクルーザー55

生産台数のほとんどは北米向け

今でこそランドクルーザーの市場は200を超える国や地域とグローバルですが、ランドクルーザー55型が走った1960年から1970年代にかけては北米市場を抜きにランドクルーザーは語れませんでした。当時、ランドクルーザー55型と並行して販売されていたランドクルーザー40系の輸出は総じて好調。ボディーの長さやドアの枚数でバリエーションを多く持つことで、オーストラリアや東南アジアにも市場は広がっていました。しかし、個人向けステーションワゴンでのシェア拡大という課題がランドクルーザーには残っていたのです。

人気のランドクルーザー

ランドクルーザー55

想定されたユーザーはレジャーユースでのファミリー層

そこでトヨタは、主にレジャーユースでクルマを購入するファミリーが多い北米市場での成功を期待してランドクルーザー55型を開発しました。直列6気筒のF型ガソリンエンジン、3速コラムシフトのマニュアルトランスミッション、オフセットドライブ式の2速トランスファーギア、そしてリジッドアクスルに至るパワートレーンの多くはランドクルーザー40系の流用かアレンジ。その上でランドクルーザー40系のワークホースとしてのイメージを抑え、パーソナル向けのスタイルとインテリアを盛り込む。そうした開発計画のもと、1967年にFJ45V型の後継車としてランドクルーザー55型は誕生しています。

国内ではFJ55VからFJ56Vへ

この初代モデルの型式はFJ55Vと言います。その後、1975年にエンジンが4.2リッター直6の2F型になり、マニュアルトランスミッションが3速コラム式から4速フロアシフトとなってFJ56Vと型式が変わりました。ただし、その型式名は国内モデルのみに適用されたもの。生産車のほとんどが販売された北米市場などではFJ55Vのままだったため、他のランドクルーザーのような◯◯系というシリーズは存在しません。これがこのモデル全体を55型と呼ぶ理由です。

概要

ランドクルーザー55

個性的デザインのステーションワゴン

北米での発売後、好調な滑り出しを見せたランドクルーザー55型ですが、開発段階そして安定した生産体制を築くに至るまでに、トヨタはさまざまな苦悩を経験しています。ランドクルーザー555型は実に作りにくいボディーをまとっていたのです。55型の開発が始まる以前、ランドクルーザーのボディーデザインは開発部門の設計者が図面を引いていました。設計者はT型定規と雲形定規を使い、常にその時代の生産技術に合わせてボディーラインを決めていたので、生産現場で大きな問題が生まれることはありませんでした。

ランドクルーザー55

ランドクルーザー55型は工業デザイナーが担当した初めてのモデル

ところが55型では、ランドクルーザーとしては初めて社員の中から登用した工業デザイナーがデザインを担当しました。当時のトヨタ開発部隊の思惑をよそに、デザイナーが考えたのは北米の市場性やステーションワゴンとしてのあるべき姿でした。トヨタといえどもプレス機の規模が小さく、ボディーパネルの型を作る技術が低かった時代に、角度の強いエッジや複雑な曲面を多用したボディーは生産技術のスタッフを大いに悩ませたといいます。

従来にないデザインが高い評価を集めた

しかし、その結果、でき上がったボディーにはそれまでのランドクルーザーにない独特の風情がありました。三次元の面構成をまとったフロントマスク、カウルトップから直線で伸びて先端で極端に折れ曲がるボンネットとそれに食い込むように配置されたヘッドランプ。フロントフェンダーからリアに伸びる深いプレスライン、そして極めつけは奥まったスライドウインドゥを備えたバックドアなど、そのいずれもがファンのハートをぐっと掴んだのでした。

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執筆者

武内 祐徳(たけうち ひろのり)
モトクロス/エンデューロなどダート系2輪レース参戦を趣味としており、マシンを運ぶためのトランスポーターとしてハイエースを所有。学生時代に建築を学んできた知識を活かし、自らハイエースの内装カスタムなども手掛ける。ハイエースやランクルの素晴らしさを多くの人に知ってほしいと自動車ウェブメディアの編集者へ転身。得意な車種はハイエース/ランドクルーザー/ロードスター/ジムニーなど。

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