ハイエースのエンジンオイルはどんなオイルが最適? ガソリン/ディーゼル/年式/モデル別の粘度やオイル量を解説
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エンジンオイルは冷却や摩擦の低減、異物の除去など、エンジンにとって重要な存在です。この記事ではハイエースのモデル別にエンジンオイルの種類や粘度、油量などを解説します。
ハイエースのエンジンオイルについて
トヨタ・ハイエースは、ガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンを動力源にしています。どちらもハイエースの走りを支えるタフなエンジンです。そんなエンジンの性能をしっかりと引き出し、長期に渡って維持していくためには、定期的なエンジンオイルの交換が不可欠です。
200系ハイエースのエンジンはガソリンとディーゼルの2種類


200系のハイエースは2004年に販売が開始されてから20年以上が経過しています。2025年の現在に至るまで改良は続いていますが、基本的には、ガソリンエンジンが排気量2.0Lと2.7Lの2種類、ディーゼルエンジンが3.0Lと2.8L、2.5Lの3種類です。
ハイエースのガソリンエンジンと指定エンジンオイルの粘度や必要量は?
ハイエースのガソリンエンジン搭載は、2004年の発売当初から2.0Lの1TR-FEエンジンと2.7Lの2TR-FEの2モデルで、現在に至るまで排気量とエンジン型式は変わっていません。しかし、2014年12月の改良で可変バルブ機構の「Dual VVT-i」が採用されたことで、エンジンオイルの必要量も変化しています。
1TR-FEエンジン
年式 | 車両形式 | エンジン形式 | 排気量 | 純正オイル
指定粘度 |
必要オイル量 | |
オイルのみ | フィルター交換時 | |||||
2004/8〜2012/3 | TRH200V,TRH200K,TRH201K | 1TR-FE | 2000cc | 5W-20 | 5.0L | 5.5L |
2012/4〜2014/11 | TRH200V,TRH200K,TRH201K | 1TR-FE | 2000cc | 0W-20 | 5.0L | 5.5L |
2014/12〜 | TRH200V,TRH200K,TRH201K | 1TR-FE | 2000cc | 0W-20 | 4.9L | 5.3L |
2TR-FEエンジン
年式 | 車両形式 | エンジン形式 | 排気量 | 純正オイル
指定粘度 |
必要オイル量 | |
オイルのみ | フィルター交換時 | |||||
2004/8〜2012/3 | TRH223B,TRH228B | 2TR-FE | 2700cc | 5W-20 | 5.0L | 5.5L |
2004/8〜2012/3 | TRH214W,TRH224W,TRH219W,TRH229W | 2TR-FE | 2700cc | 5W-20 | 5.0L | 5.5L |
2004/8〜2012/3 | TRH221K,TRH226K | 2TR-FE | 2700cc | 5W-20 | 5.0L | 5.5L |
2012/4〜2014/11 | TRH223B,TRH228B | 2TR-FE | 2700cc | 0W-20 | 5.0L | 5.5L |
2012/4〜2014/11 | TRH214W,TRH224W,TRH219W,TRH229W | 2TR-FE | 2700cc | 0W-20 | 5.0L | 5.5L |
2012/4〜2014/11 | TRH221K,TRH226K | 2TR-FE | 2700cc | 0W-20 | 5.0L | 5.5L |
2014/12〜 | TRH223B,TRH228B | 2TR-FE | 2700cc | 0W-20 | 4.9L | 5.3L |
2014/12〜 | TRH214W,TRH224W,TRH219W,TRH229W | 2TR-FE | 2700cc | 0W-20 | 4.9L | 5.3L |
2014/12〜 | TRH221K,TRH226K | 2TR-FE | 2700cc | 0W-20 | 4.9L | 5.3L |
ハイエースのディーゼルエンジンと指定エンジンオイルの粘度や必要量は?
ハイエースのディーゼルエンジンは、大きく分けて3種類です。200系デビュー時に搭載されたのが排気量2.5Lの2KD-FTV。続いて2007年8月のマイナーチェンジでは3.0Lに排気量が引き上げられた1KD-FTV。そして2017年11月のマイナーチェンジでは2.8Lにダウンサイジングされた1GD-FTVとなっています。
ディーゼルエンジンは年を経るごとに高い環境性能が求められている、2KD-FTV、1KD-FTVともにラインアップから外れています。現行モデルの搭載は1GD-FTVのみです。ディーゼルエンジンの排気ガスにはNOxとPMが多く含まれていますが、1GD-FTVには大気汚染物資を除去するためのシステムとして、尿素SCRシステムやDPR触媒が採用されています。
※NOx:一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物の窒素酸化物の総称
※PM:大気中に浮遊する微粒子の総称で、微粒子状物質(Particulate Matter)とも呼ばれている
2KD-FTVエンジン
年式 | 車両形式 | エンジン形式 | 排気量 | 純正オイル
指定粘度 |
必要オイル量 | |
オイルのみ | フィルター交換時 | |||||
2005/1〜2007/8 | KDH200K/V | 2KD-FTV | 2500cc | 10W-30 | 6.3L | 6.5L |
2005/1〜2007/8 | KDH205V,220K,225K | 2KD-FTV | 2500cc | 10W-30 | 6.3L | 6.5L |
1GD-FTVエンジン
年式 | 車両形式 | エンジン形式 | 排気量 | 純正オイル
指定粘度 |
必要オイル量 | |
オイルのみ | フィルター交換時 | |||||
2017/11〜2021/7 | GDH223B | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-30 | 5.5L | 6.1L |
2017/11〜2021/7 | GDH221K,GDH226K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-30 | 5.5L | 6.1L |
2017/11〜2021/7 | GDH211K,GDH216K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-30 | 5.5L | 6.1L |
2017/11〜2021/7 | GDH206V,GDH206K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-30 | 5.5L | 6.1L |
2017/11〜2021/7 | GDH201V,GDH201K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-30 | 5.5L | 6.1L |
2021/8〜 | GDH223B | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-20 C5 | 5.5L | 6.1L |
2021/8〜 | GDH221K,GDH226K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-20 C5 | 5.5L | 6.1L |
2021/8〜 | GDH211K,GDH216K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-20 C5 | 5.5L | 6.1L |
2021/8〜 | GDH206V,GDH206K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-20 C5 | 5.5L | 6.1L |
2021/8〜 | GDH201V,GDH201K | 1GD-FTV | 2800cc | 0W-20 C5 | 5.5L | 6.1L |
1KD-FTVエンジン
年式 | 車両形式 | エンジン形式 | 排気量 | 純正オイル
指定粘度 |
必要オイル量 | |
オイルのみ | フィルター交換時 | |||||
2007/8〜2010/7 | KDH221K | 1KD-FTV | 3000cc | 5W-30 | 5.0L | 5.2L |
2010/7〜2017/10 | KDH221K | 1KD-FTV | 3000cc | 0W-30 | 6.6L | 6.8L |
2007/8〜2010/7 | KDH211K | 1KD-FTV | 3000cc | 5W-30 | 5.0L | 5.2L |
2010/7〜2017/10 | KDH211K | 1KD-FTV | 3000cc | 0W-30 | 6.6L | 6.8L |
2007/8〜2010/7 | KDH206K/V | 1KD-FTV | 3000cc | 5W-30 | 5.0L | 5.2L |
2010/7〜2017/10 | KDH206K/V | 1KD-FTV | 3000cc | 0W-30 | 6.8L | 7.0L |
2007/8〜2010/7 | KDH201K/V | 1KD-FTV | 3000cc | 5W-30 | 5.0L | 5.2L |
2010/7〜2017/10 | KDH201K/V | 1KD-FTV | 3000cc | 0W-30 | 6.6L | 6.8L |
ハイエースオーナーのためのQ&A
Q:ハイエースのオイル交換は自分でできますか?
A:可能ですが、ハイエースはキャブオーバー型と呼ばれるボディ形状で、車内から助手席の下にあるエンジンルームにアクセスするため、一般的な乗用車より難しいと感じるかもしれません。また、大量のオイルを扱うため、適切な工具(大型オイルパンなど)が必要です。経験がない場合は、専門家に依頼することをお勧めします。
Q:純正オイル以外を使用しても問題ないですか?
A:トヨタの推奨規格に適合したオイルであれば使用可能です。アフターマーケットのオイルを使用する場合は、API、JASO、ILSACなどの規格と粘度がメーカー推奨のものと一致していることを確認してください。
Q:オイル交換時に他にチェックすべき部分はありますか?
A:オイル交換と同時に以下の点をチェックするといいでしょう。
オイルフィルターの交換(通常は2回に1回のオイル交換で実施)
エアフィルターの状態確認
各種ベルトの摩耗度確認
冷却水のレベルと状態
バッテリーの状態
ブレーキフルードのレベル
Q:ディーゼルエンジンのハイエースでDPF関連の警告灯が点灯しています。オイル交換で解決しますか?
A:DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の警告灯はフィルターの詰まりを示しており、オイル交換だけでは解決しません。排出ガス浄化スイッチを押し、DPFの燃焼処理を行ってください。DPF再生の手順はこちら1を参照してください。(P.176)
なお、不適切なオイル(高灰分オイル)の使用がDPFの詰まりを促進している可能性もあるため、DPF対応の低灰分オイル(Low SAPS)に交換することで、今後の問題発生リスクを減らすことはできます。
Q:ロングライフオイルを使えば交換頻度を減らせますか?
A:長寿命(ロングライフ)を謳ったオイルもありますが、特に商用車として使用するハイエースでは、メーカー推奨の交換間隔を守ることをお勧めします。過酷な使用条件下では、どんな高品質なオイルでも劣化は避けられません。少し余裕を持って交換する方が、長期的にはエンジンの寿命を延ばし、維持費の削減につながります。
Q:オイルの色でオイル交換時期を判断できますか?
A:オイルの黒さだけで交換時期を判断するのは難しいです。特にディーゼルエンジンでは、使用開始後比較的早い段階でオイルが黒くなります。色よりも、走行距離・経過時間、エンジンの調子、オイルの粘り気などを総合的に判断することが重要です。
ハイエースのエンジンオイル交換はフレックスのお店で
ハイエースを健康な状態で長く楽しむには、定期的なエンジンオイル交換やメンテナンスが必要不可欠です。タフな車種ではありますが、しっかりとチェックすることで快適な走りが続きます。お乗りのハイエースのオイル交換やメンテナンスのご相談は、お近くのフレックスのハイエース店、またはカスタムパーツ専門店のハイエースベースまでご相談ください。
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