【知ってお得】トヨタ ランドクルーザーと他メーカーの4WDとの違い/トヨタ ランドクルーザーの特徴とは?

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ランドクルーザーと他メーカーの4WDとの違い

クルマの作りが違う/一般的SUVよりタフネス&セーフティ

そもそもランドクルーザーってどんなクルマ?

一般的な乗用車よりボディもエンジンも大きくて、アウトドアや遠出に便利な高級4WD。ランドクルーザーのイメージは概ねそのようなものでしょう。しかし、乗用車より大きいボディのクルマや排気量の大きなエンジンを載せたクルマは国内外を見渡すと他にもたくさんあることに気づきます。アウトドアや遠出を楽しむのに都合の良いクルマや、その中でも高級なクルマも色々あります。ではランドクルーザーは他の似たようなクルマと何が違うのでしょうか?

ランドクルーザーのクルマとしてのカテゴリーをSUVと称する場合があります。SUVはスポーツ・ユーティリティ・ビークルの略称で、アメリカで生まれた呼称です。遊び道具をたくさん積んでスポーツを楽しむのに都合がよいクルマというわけですね。アメリカのSUVで人気が高いのは、GMならシボレー・タホ、フォードではエクスプローラー、クライスラーではジープ・チェロキーなどでしょうか。アメリカ製以外ではメルセデスベンツのGやGLクラス、ランドローバーのレンジローバー/ディスカバリーなどがランドクルーザーのライバルと言えるでしょう。ランドクルーザーはこれらのSUVと似てはいますが、違うところがたくさんあります。その違う点がランドクルーザーのアイデンティティでもあるのですが、その解説の前にまず、もっと身近な乗用車などとの違いについて、構造の違いから探っていくことにします。

人気のランドクルーザー

大きなボディ+大排気量エンジン+大径タイヤ、だから本格派

一般的に乗用車などとランドクルーザーの違いで強く認識されているのはボディ、エンジン、そしてタイヤの大きさです。ボディが大きい理由はたくさん人が乗ることができ、荷物もたっぷり積めるようにするためです。現行モデルであるランドクルーザー200は3列シートの8人乗りと2列シートの5人乗りがあり、ランドクルーザー150プラドは3列シートの7人乗りと2列シートの5人乗りがあります。乗車定員にフォーカスして時代を遡ってみると、ランクル200につながる歴代のランクル100ランクル80ランクル60は200とほぼ同様の構成でした。

ランドクルーザープラドでは現行の150プラドから3ドア車が省かれましたが、初代の70プラドからシートの数や乗車定員は大きく変わっていません。最大で7~8人も乗れるクルマはそう多くはありません。空間の広さとボディの頑丈さから快適で安心して乗れることがランドクルーザーのアドバンテージになっています。エンジンの大きさについては、ランドクルーザー200がV8ガソリンエンジンの4.6リッター、ランドクルーザープラド150が直4ガソリンエンジンの2.7リッターと直4ディーゼルターボの2.8リッターをそれぞれ搭載しています。歴代のランドクルーザーでは3リッター前後から4リッター超えまででガソリン車もディーゼル車もそれぞれにエンジンラインナップが構成されてきました。

大きなエンジンは大きいボディを引っ張るのに必要な動力性能を得るためのもの。ただ、排気量が大きいだけでなく、SUVとして、またタフネスな4WDとして必要な粘りのある特性を備えていることも大きな特徴です。タイヤの大きさもボディの大きさや重さにマッチさせたサイズを履いています。大柄な重いボディを支えながらエンジンの動力をしっかりと路面に伝え、悪路ではギャップを乗り越えやすく、走りの安定感を高く保つために大きなタイヤが必要なのです。

ランドクルーザー70のシャシー

ボディから独立したラダーフレームが決定的な違い

ランドクルーザーにはスタイリングやエンジンのほかに、一般乗用車などとは構造的な部分で決定的な違いがあります。それはランドクルーザーがクルマの骨格をなすラダー(ハシゴ形)フレームを備えているということ。

一般的なクルマはモノコックボディとしていて、人や荷物やエンジンを包み込むボディそのものにボディ強度を保つフレームに相当する構造物が一体となっています。ところがランドクルーザーはボディそのものの強度をしっかりと確保した上で、ボディとは別体のフレームをラダー形式で備えボディの土台としています。このフレームにはエンジン、トランスミッション(変速機:ATやMTといったギアボックス)、トランスファー(副変速機:4WD走行モード切替用ギアボックス)、プロペラシャフト(変速機からアクスルへの動力伝達軸)、デファレンシャルギア(左右タイヤへの動力分配ギア)、アクスル(車軸)、サスペンションなど走るための機能ユニットのすべてが取り付けられていますから、人体ならまさに背骨のような存在と言えるでしょう。このスタイルはランドクルーザーが誕生した1951年からすべてのモデルで一貫しています。では、なぜランドクルーザーは、わざわざボディとフレームを別々に備える必要があるのでしょうか? モノコックボディではボディとフレームの一体化とともに軽量化も図られていますが、ランドクルーザーでは独立したフレームが車体を重くしているのではないのでしょうか? その理由を以下にまとめました。

◎すべてのランドクルーザーがボディから独立したラダーフレームを備える理由

  • 大きなボディとたくさんの積載を支えて走るためには頑丈な土台が必要
  • 地面とボディの距離を多めに取れるからオフロードを走りやすい
  • オフロードで下回りをぶつけても頑丈なフレームがボディを保護する
  • 土台が頑丈なのでサスペンションの性能を高く安定して発揮させられる
  • ロードノイズや振動がボディに届く間に緩和され車内が快適になる
  • エンジンやパワートレインの整備性がモノコックボディに比べて良好
  • 海外市場でのノックダウン生産やパーツの運搬・組み立てに好都合
  • バン、ワゴン、ピックアップなど多種多彩なボディスタイルに対応
  • 海外のコーチビルダーなどによる商用向け等の架装が容易
他の小型SUVとは4WDの本格性能が違うランドクルーザー

他の小型SUVとは4WDの本格性能が違う

指名買いが多いと言われるランドクルーザーの市場においては、トヨタのハリアーやRAV4、日産のエクストレイル、スバルのレガシーやフォレスターなどと比べられることも多いようです。しかしこれらのクルマは4WD機能を持っていても、SUVと言うより「クロスオーバー(ワゴン、4WD、スポーツ車の融合車)」や「ワゴン(小型貨物車の乗用スタイル4WD)」と呼ぶべきモデルでしょう。なぜなら、乗車定員の数や空間の快適性、積載性能、悪路走破性能などがいずれもランドクルーザーに遠く及ぶものではないからです。

アメリカで生まれたSUVというクルマのカテゴリーは、そもそも最低でもランドクルーザーほどのサイズのクルマのことを言います。では、カテゴリーの呼称は別として、ハリアーやエクストレイルなどと比べて走りの性能はどうでしょうか? ランドクルーザーは残念ながらすべてにおいてナンバーワンではありません。エンジンが大きくボディも重いことから俊敏なアクションは苦手で、いわゆるスポーツ走行性能では他車に劣ります。同じ理由で乗り心地や快適性も他車に比べて設定の限界は高くありません。しかし、こうした走りの面でのウィークポイントも過去のものになりつつあります。古いモデルになるほどランドクルーザーは走りも乗り心地もいわゆる貨物車と同じような性能でしたが、技術の進歩でサスペンションの改良が進み、現在は本格的4WDならではの高い悪路走破性能を備えながらも高級セダン並みの快適性を確保していたり、小気味良いハンドリングを実現できていたりしているのです。

ランドクルーザー80のフルタイム4WD

機能も目的も異なるクロスオーバータイプの4WD

4WDの機能だけで比べてみると、ランドクルーザーと他の4WDの違いは歴然です。ランドクルーザーは現行のランドクルーザー200150プラドがフルタイム式の4WD。過去のモデルではランドクルーザー100ランドクルーザー80がフルタイム式とパートタイム式、ランドクルーザー120プラド90プラドはフルタイム式、ランドクルーザー70バン/ワゴン70プラドはパートタイム式、それ以前の旧型ランドクルーザーもすべてパートタイム式です。クロスオーバーやワゴンの4WDも現在ほとんどフルタイム式としていますが、ランドクルーザーと違って4WDの機能は限定的です。それらはオンロードでのパフォーマンス性や滑りやすい路面での安全走行性の確保が目的のメインとなっています。ランドクルーザーはそうした性能はもちろんですが、極めて高い悪路走破性を発揮できる機能・構造としている点が決定的に違うのです。ランドクルーザーは4WD走行で駆動力を増幅できるローレンジをトランスファーギア(副変速機)に備えており、タイヤのスリップを抑えるLSD(スリップ抑制式デファレンシャルギア)やデファレンシャルロック、さらにはアクティブTRC(トラクションコントロール)など機械式あるいは電子制御式の4WD走行支援メカといった、クロスオーバーやワゴンの4WDが持たない、オフロード走行が前提の硬派な機能が盛り込まれているのです。さらにクロスオーバーやワゴンの4WDは、フルタイム式と言っても多くの機能はパッシブ(受け身的)制御。常に4輪が大きな駆動力を発揮するのではなく、路面の状況に応じて自動的に4WDになるものが一般的です。だからフルタイム4WDと言わずAWD(A=オート)と称したりしている車種もあります。同じ4WDでも、これらクロスオーバーやワゴンとランドクルーザーではまるで別モノと言ってもいいぐらいの違いがあるのです。

ランドクルーザー100のフロントサス

トラックから進化したランドクルーザーのサスペンション

ボディから独立したフレームを持ち、オフロードを走るための本格的な4WD機構を備えた70プラドは、クロスオーバーやワゴンといった小型SUVとは異なる進化の道をたどってきました。クロスオーバーやワゴンは乗用車や小型貨物車から発展したクルマ。ランドクルーザーは働くトラックやバンをルーツとしています。乗用車や小型貨物車をアレンジしてボディのボリュームを増し、荷物をそこそこ多めに積めるようにしてきた小型SUVに対し、トラックやバンでありながら乗用車のような快適性に加え、高速での走行性能や安全性能を追求してきたランドクルーザー。双方が歩み寄り近いカテゴリーのクルマのように思えますが、今もサスペンションに大きな相違があるのです。近頃の乗用車ではサスペンションを4輪独立懸架とする形式が常識となってきました。乗り心地が良く、カーブを曲がる際や加速時、減速時の姿勢変化が少なく操縦安定性に長けるのが独立懸架のクルマの大きな特徴です。
ランドクルーザーは重いボディを支えつつ高い積載性能を備えるという宿命がありますから、どうしてもサスペンションには頑丈さが必要になります。そのため、ランドクルーザーでは80まで、ランドクルーザープラド70までは前後サスペンションがトラックと同じリジッドアクスルとリーフまたはコイルのスプリングとの組み合わせでした。それ以降のランドクルーザーでは100から、ランドクルーザープラドでは90からそれぞれフロントサスペンションのみ独立懸架に変わりましたが、ランドクルーザー70バンは誕生当時からリジッドアクスルをベースとし続けています。独立懸架はランドクルーザー史上未到達の技術ですが、必ずしもそれはランドクルーザーの目標ではないと言えます。ワークホースとして世界の道なき道を走るランドクルーザー70バンはともかく、現代のランドクルーザーランドクルーザープラドのサスペンションは現状がベストの仕様かもしれません。以前と変わらずアフリカや中南米の悪路で素晴らしいタフネスさを発揮しつつ、21世紀に入って高速道路網が急速に発達した中東諸国やロシア、中国のハイウェイを安全かつ快適に走れるようになっているのです。サスペンションの電子制御化もランドクルーザープラドの走りを進化させています。古いスタイルのサスペンション形式に新しい技術を組み合わせて小型SUVのような軽快さに近づけつつ、さらに乗り心地を快適にする、そうした進化は今後も続くでしょう。

他の小型SUVとは4WDの本格性能が違うランドクルーザー

海外のSUVとランドクルーザーの違いについて

クロスオーバーやワゴンなどのいわゆる小型SUVとランドクルーザーの性格は、ボディのボリュームや形状、サスペンション形式や4WDシステムを比べれば容易に判別できました。しかし、スタイルもメカニズムも似ている海外のSUVとランドクルーザー ランドクルーザープラドの違いはどこにあるのでしょうか? 
はじめに触れましたが、アメリカのSUVではシボレー・タホ、フォード・エクスプローラー、ジープ・チェロキーシリーズ。ヨーロッパ勢ではメルセデスベンツのGやGLクラス、ランドローバーのレンジローバー/ディスカバリーなどがランドクルーザーと同じカテゴリーに置かれるライバルです。これらのほとんどはランドクルーザーと同様にボディから独立したフレームを持ち、比較的排気量の大きいエンジンを積み、大きなタイヤを履いたものとなっています。メカニズムではローレンジを備えたトランスファーを備えるなど、4WDとしてもランドクルーザーと同じようなクルマと見ることがでるでしょう。これらとランドクルーザーの違いは目に見えない部分にあります。ランドクルーザーのタフネスさは他車より一歩リード、車種によっては二歩ほどリードしています。
まずアメリカ車のSUVとは堅牢さが違います。堅牢さとはタフネスさのことで、ボディ、フレーム、エンジン、パワートレインなどの耐久性はランドクルーザーが一枚も二枚も上手。なぜならアメリカの道路の舗装率は世界で最も高く、国土の広さゆえにアップダウンが緩やかで直線道路が多い風土です。そこで生まれ育ったアメリカのSUVは輸出される数も少なく、他国での用途もアメリカ本土と似ています。一方のランドクルーザーは早くからグローバルカーとなり世界の悪路を走ってきました。整備環境が劣悪だったり燃料の質が様々だったり、いわゆるインフラが整っていない後進国の道をたくさん走ってきているのです。また、メルセデスベンツのGクラスなどは欧州各国で軍用車としての実績があり、ヘビーユースのバックグラウンドを持つなどランドクルーザーに似ています。しかしながらヨーロッパを代表する高級車ブランドだけあって開発コストは近年快適装備やエンジンのパワーアップばかりに費やされており、サスペンションや4WDシステムはしばらく進化が止まっているようです。
そのような中、メカニズムに大きな違いがありながらもランドクルーザーの性格に最も近いのが現代のレンジローバーでしょう。電子制御式の悪路走行支援装置にバックアップされるフルタイム4WDシステムは機能もタフネスさもランドクルーザーに似ていますが、電子制御式サスペンションはエアスプリングを用いた4輪独立懸架。ランドクルーザーほどのグローバル4WDではありませんが、ランドローバーはオフロード車のプレミアムブランド。オフロードでのタフネスさや走破性能の絶対的レベルは構造的形式的にランドクルーザーの方が高いものと言えるものの、乗り心地や走りのプレミアム感は洗練度でレンジローバーの方が上かもしれません。こうしたライバルの中でランドクルーザーは、レクサス車との共有部分もあり今後はさらに快適性をキーワードにさらに積極的な技術的アプローチが進められていくでしょう。ランドクルーザーの進化は鈍ることはありません。

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監修者:貴田 晃

大手自動車メーカーでセールス&マーケティングに従事、その後、架装メーカーで乗用車カスタム等のセールス&マーケティングの責任者を担当。現在は、フレックス株式会社でランドクルーザー、ハイエースのコンプリートカスタム車の販売に全力投球中。愛車は、同じ1957年生まれのスカイライン。

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