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2021年の車両の盗難件数が発表されました【車両盗難・車上荒らし】

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車両盗難・車上荒らし

残念なことにTwitterなどのSNSでは、「車両を盗難された」という投稿を毎日のように見ます。「クルマに乗ろうと思って駐車場に行ったらなくなってる!」とか「頑張って買った愛車なのに・・・」などなど。 そんなツイートを目にするたびに、心が痛みます。日本では年間に何台くらいの車両が盗難されているのでしょうか? なぜ盗まれるのでしょうか? そしてどのような車両が盗まれているのでしょうか? 日本損害保険協会の資料から解説します。

1年間に5000台以上の車が被害にあっています

車両の盗難件数が発表

日本損害保険協会から2021年の「自動車盗難事故実態調査」が発表されました。この調査結果は、2021年1月1日から12月31日までの1年間に、日本全国で発生した自動車の車両本体盗難事故及び車上ねらい(部品盗難含む)事故で、調査期間内に自動車盗難事故が発生し、保険金の支払いが行われた事案をカウントしたものです。
2021年車両盗難件数 この数字には保険金が支払われていないケースが含まれていませんので、実際にはかなり台数が増えることが推測されます。同じくして警視庁が発表した犯罪統計資料によると、2021年の自動車盗難認知件数は5,182件となります。これは警察が確認した件数ですから、実際はこの数字よりもさらに上ということでしょう。ちなみにピークは2003年の64,223件です。

参照サイト:
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2021/2203_06.html

過去3年間は減少傾向ですが・・・

発生件数を見てみると、2019年:車両盗難3,800件/車上荒らし1,856件、2020年:2,964件/1,254件、2021年:2,425件/931件と、どちらも減少傾向にあります。これは、コロナ禍により車両の所有者が在宅している場合が多くなったことも要因の一つと考えられます。
しかし、保険金が支払われた事案だけでも2,400台以上、支払われていない事案も含めると1年間で3,500台近い車両が盗難されており、けっして他人事ではないというのがお分かりいただけるかと思います。

狙われやすいワースト車種はこれ!

2021年に実際に盗難された車両のうち、上位10車種のデータは次の通りです。
1位:ランドクルーザー(331台)、2位:プリウス(266台)、3位:レクサス LX(156台)、4位:アルファード(138台)、5位:クラウン(81台)、6位:ハイエース(78台)、8位:ヴェルファイア(41台)、9位:レクサス LS/ハリアー(36台)。
ここ数年、ランドクルーザーとプリウスがかならず上位に来ており、この2車種だけで盗難される車両の2割以上を占めています。車種的に見るとミニバン、SUV、ワンボックスが狙われやすい傾向が見て取れます。
上位のランキングはすべてトヨタ車となってしまいましたが、他のメーカーと比較してもとりわけ車両の盗難防止能力が低いというわけではありません。別の機会に解説したいと思いますが、人気のある車両は盗難車両でも需要があり、需要がある車両は「盗むための方法やツール」がすぐに開発されるという悪循環が背後にはあります。

なぜ車両が盗まれるのか?

車両に需要があるから

車両の盗難が後を絶たないのはなぜでしょうか?
それは前述したとおり「需要があるから」です。窃盗団は買い手のいる車両を狙います。生臭い話ですが、盗んでもその車両が売れなければ意味がありません。当然非合法ですが、商売として成立するからこそ盗むわけです。
彼らは手に入れた車両をお金に変える手段を持っています。車両ごと転売する場合は、当然ですが人気のある特定の車種が狙われます。
車両盗難 例えば、今回の発表で上位になったランドクルーザーやプリウス、レクサス LXは、車両自体に人気があります。とくに新型ランドクルーザー(ランクル300)とレクサス LXは、発注しても納車まで4年待ちという状況が依然として続いており、中古車も車両価格を遥かに上回るプレミア相場となっています。
つまり、手離れがよく、高値で売れる車両が狙われ、盗まれているのです。

盗難車両は海外に輸出されるものも

ランドクルーザーやレクサス LXといったSUVや、ハイエースなどのワンボックス車は、日本でも人気ですが海外でも絶大な人気を誇ります。新車はもちろん、中古車も海外では引く手あまたです。日本の中古車は程度がいいというのが定説で、過走行と思われる走行距離であったとしても、海外ではまったく問題なく、ちょっと壊れていても修理すればぜんぜん走れるという感覚なので、十分に値段がつくのです。
ちなみに輸出する際に使われるコンテナは重さではなく長さで運賃が変わるので、1つのコンテナにどれだけ入れられるかがポイントです。なので、各ピラーを切断して天地を縮めるようにした車両が折り重なるようにして詰め込まれているのをニュースなどで目にしたことがある人もいるかと思います。輸出先で修理して販売しても十分に儲けが出るということです。
現在はコロナ禍やロシアの侵攻の影響により、中古車の輸出市場自体が縮小していますが、これはコンテナやそれを積む船便が確保できなかったり、通関が混乱しているためで、需要自体は依然として存在しています。盗難車両であろうがなかろうが、クルマは欲しいというわけです。

部品として売られるケースも

また、売れるパーツが装着されている車両も狙われます。車両ごと盗むパターンと、車両からパーツを取り外して盗んでいくパターンがあります。ホイールが外されて亀の子状態になっている被害車両を見たことがあるかと思います。
ホイール盗難 また、車両を他の車両と組み合わせて販売する場合もあります。例えば正規の車体ナンバーを盗難車両に移植して、車検を取得する方法です。車両が事故などで修復不可能になってしまった場合などに行われる手法です。
さらにナンバープレートなどを他の犯罪に利用するようなケースもあります。通称「テンプラ」と呼ばれ、ナンバー自体は正しくても車両と結びつかず、所有者や運転者を割り出せないということになります。盗難車両が犯罪に使われる場合は、このような手法が用いられることが多いようです。

中古車と中古パーツ、そして廃棄物

厳密にいうと、リユース目的で自動車から取り外されたパーツは「中古パーツ」に該当します。そして自動車リサイクル法で正しく回収や処理が行われたあとの物品は「廃棄物」となります。つまり、輸出登録抹消を行った車両は「中古車」として、それ以外は自動車解体業の許可を得ている業者によって指定回収品目を適正処理したものだけが「中古パーツ」として、それぞれ輸出されるというのが正しいルートになります。不正なヤードで作業された車両はこれらのルートを通っていないことになるわけです。

油断をせず愛車を守りましょう

車両盗難・車上荒らし

まずは施錠。そのうえで二重三重の盗難対策を

自分の車がなくなっていたら、頭が真っ白になってしまうことでしょう。そうならないためにも、セキュリティ対策をして防犯レベルを引き上げることをおすすめします。ちなみに盗難された車両のうち、5台に1台は鍵が付けっぱなしの状態だったとか。これでは持っていってくださいと言っているようなもの。まずはしっかりと施錠。そのうえで二重三重の対策をすることで、少しでも盗難される確率を下げるようにしたいものです。
具体的な方法は次回にお伝えしますが、窃盗犯は「手間が掛かること」を嫌います。防犯用のセキュリティなど、対策パーツはお近くのフレックスの店舗にお問い合わせください。愛車を守って、充実したカーライフを楽しみたいものですね。

参照サイト:
http://www.car-tounan-boushi.jp/

執筆者

熊崎 圭輔(くまさき けいすけ)
元輸入車カスタム雑誌の編集長。ドイツ語圏を中心にレンタカーで走り回った旅好き。その後MOTAに移籍。副編集長として、新型車をはじめクルマに関する記事制作に従事。国内外を問わずドレスアップやチューニングにまつわる取材経験から、MOTAカスタムの記事展開にも寄与。純正もいいが、カスタムすれば自分のクルマに対してさらに愛着が湧き、人とは違う個性的なクルマにすることで、人生がもっと楽しくなると考えている。

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