トヨタ ランドクルーザー70バンと70プラドは何が違う?ヘビー系とライト系のふたつのランドクルーザー

決して“なんちゃってランクル”ではないランクル70プラド

ランドクルーザー70プラドの人気が上昇中です。ボクシー(箱型)なデザインを活かしたレトロなスタイルやレトロ感を増幅させるカスタムのおかげで、販売終了後20年が経っても2ドアショートの71プラド、4ドアの78プラドともに若い世代を中心にファンが増えています(71プラド、78プラドの総称が70プラドです)。ところが、そうした新しいランクル70プラドのファンの中には「クロカン四駆のランクル70バンとはどこが違うの?」とか「ランクル70プラドは“なんちゃってランクル”ではないのか?」などという疑問があり、購入を迷っているファンもいるようです。ランクル70バンは貨物車登録で主に働く4WDとして、そしてランクル70プラドはランクル70バンをベースにして乗用車(普通車登録)スタイルの4WDを望むファミリー層などに向けてそれぞれ開発されました。こうしたトヨタの販売戦略は海外向けでも同様で、70バンを“70ヘビー”、70プラドを“70ライト”と称したこともあり、70プラドは発売当初からしばらく「ランクルじゃない」とか「なんちゃってランクルではないか」といった声が挙がっていたのです。しかし、それは70プラドにとって風評被害のような不幸だったと言わざるをえません。詳しくは以下に述べていきますが、70プラドは70バンの格下ランクルではなく、“なんちゃってランクル”でもありません。狙った市場が異なるだけの兄弟車なのです。70プラドを購入する上で、70バンの存在を意識する必要はありません。70バンも70プラドもファンの期待を決して裏切らない、世界の4WDを代表するクルマですから。

人気のランクル70

ランクル70バンは1・4ナンバー、ランクル70プラドは3ナンバー

ランクル70バンは貨物車登録で、主にオーバーフェンダーの有無によって4ナンバー(小型貨物車)と1ナンバー(普通貨物車)があります。オーバーフェンダー付きの1ナンバー車はタイヤもより太いサイズを履いています。ランクル70プラドはオーバーフェンダー付き/無しがありますが、どちらも3ナンバー(普通乗用車)となります。70バンも70プラドも年式によって、あるいは仕様によって排気量の異なるエンジンを積んでいますが、エンジン排気量によるナンバー区分の別はありません。エンジンの違いは後の項で紹介しますが、ここではまず1ナンバー/4ナンバーと3ナンバーという違いがどこにあるかを述べていきます。1ナンバー/4ナンバーのランクル70バンには2ドアショート(幌ソフトトップ/ハードトップ)、2ドアミドル(FRPトップ)、4ドアセミロング(ハードトップ)の旧シリーズに加え、2014年8月~2015年6月の期間限定で再販された4ドアセミロング(ハードトップ)と4ドアロング・Wキャブという新シリーズ(1ナンバーのみ)が存在します。一方のランクル70プラドは、2ドアショート(ハードトップ)と4ドアセミロング(ハードトップ)の2種類でいずれも3ナンバーです。基本的な部分でボディやシャシーを共有するランクル70バンと70プラドですが、70バンは貨物車なのでサスペンションのスプリングは重い積載に耐えられるように硬くてタフなものが装着され、乗用車の70プラドはランクルとしてのタフネスさを保持したままスプリングをややソフトライドで乗り心地に配慮した仕様としているのです。室内における明確な違いは、ランクル70バンが4ドアでもシートは2列までとし荷室のスペースが常時広く確保され、2列目が前方に折りたためるのに対し、70プラドでは4ドアで格納が可能な3列目シートが付きます。ランクル70バンと70プラドは、荷物を多く載せるか、人を多く乗せるかというところで基本的な仕様が異なるのです。

ランクル70バンはコイル+リーフ、ランクル70プラドはコイルのサスペンション

1ナンバー/4ナンバーで貨物車登録となるランクル70バンのサスペンションは、1984年11月の発売時から1999年7月販売モデルまで、前後ともにリジッドアクスルとリーフスプリングの組み合わせです。1999年8月以降はランクル70再販モデルを含めてフロントサスペンションのみスプリングがリーフからコイルに変わりました。リジッドアクスルとリーフスプリングの組み合わせは貨物車のオーソドックスな仕様で、乗り心地より耐荷重性やタフネスさが優先されたものです。しかし、貨物車でも快適な乗り心地や優れた操縦安定性が求められるようになった世界市場の変化に対応して、後にフロントのみコイルスプリング化を果たしたのでした。ランクル70プラドでは乗用車としての快適な乗り心地を実現するため、リジッドアクスルのままスプリングがすべてコイル化されています。2ドア車では5名が、4ドア車では5名~8名が乗車した状態でもそれぞれ最良の乗り心地と操縦安定性を確保できるようセッティングされているのです。リーフスプリングもコイルスプリングもランドクルーザーのサスペンションを支えるパーツとして、それぞれふさわしい仕様やセッティングが与えられています。どちらが優れているかといった比較は意味がありません。

ランクル70バンは中低速型、ランクル70プラドは実用性重視のエンジン

サスペンションでは共通性があるランクル70バンと70プラドですが、エンジンはまるで異なります。ランクル70バンに搭載されたエンジンは旧シリーズで3.4リッター直4、3.5リッター直5、4.2リッター直6の各ノンターボディーゼルの3機種(3.4リッター直4にはターボ仕様もあり)で、ランクル70再販モデルの新シリーズでは4リッターV6ガソリンの1機種。これに対しランクル70プラドには初期に2.4リッター直4が載り、後に3リッター直4のディーゼルターボとなりました。相対的に70バンより70プラドのエンジンの方が排気量は小さいのですが、これは乗用車としての扱いやすさを追求し高い実用性を求めた結果です。日本仕様においては、3ナンバー車の自動車税が排気量に比例して高くなることへの配慮とも言えるでしょう。ランクル70プラドは排気量の少なさをターボ仕様として補い、パワーを稼いでいるというわけです。このようにランクル70バンと70プラドのエンジンはまったく異なる種類が載っているわけですが、性格も大きく異なります。貨物車であるランクル70バンでは積載量が多い状態でも低中速度域で力強く走れるようエンジンがセッティングされています。回転数でパワーを稼ぐのではなく、低い回転数から十分に太いトルクが発揮されるのです。ランクル70プラドは4WDの乗用車ですから、低速から高速に至るまでフラットなトルクが発揮されるセッティングです。市街地から高速道路までの様々なシチュエーションで高い実用性が確保されているのです。こうした性格の違いも優劣をつけられるものではなく、それぞれに与えられた個性と考えるべきでしょう。そして唯一ガソリンエンジンを積んだ再販モデルの新しいランクル70バン及び4ドアWキャブは、これらとは少々異なります。旧シリーズのランクル70バンが持つ頼もしい中低速トルクに加え、ガソリンエンジンらしい幅広い有効回転域を生かした伸びやかな出力特性が魅力です。この4リッターV6ガソリンエンジンは、ランクル150プラドやFJクルーザーに搭載されているものと基本的に同じ形式。オールマイティさでは過去のディーゼルエンジンより優秀なガソリンエンジンなのです。

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オフロードでのパフォーマンス性では70バンに軍配

ランクル70バンと70プラドでは、それぞれのファンが好むカスタムは微妙に異なります。どちらもカスタムの代表的なスタイルはリフトアップなのですが、どちらかといえばランクル70バンではオフロード走破性能向上を目的としたものが多く、ランクル70プラドではリフトアップスタイルにレトロテイストを加味したものが主流のようです。ランクル70バンのリジッドアクスルは前後ともリーフスプリングまたは前コイル+後リーフ。これは少ないパーツの交換で比較的容易にリフトアップできることから、オフロードを走る上で大切な最低地上高の拡大とサスペンションのストローク拡大を同時に高められる仕様と言えます。リフトアップ量の許容範囲は広く、それに応じてタイヤの大径化もオフロード走破性アップには好都合。一般に車高を上げるほどスプリングは硬いものになるのでリフトアップ量とオフロード走破性はどこまでも比例するわけではありませんが、特にリーフスプリングとリジッドアクスルの組み合わせは、構成パーツが少なくリフトアップにとても都合の良いサスペンションなのです。一方、ランクル70プラドは前後のサスペンションにコイルスプリングを採用しています。コイルスプリングを用いたリジッドアクスル式サスペンションではリーフスプリングとの組み合わせより構成パーツが多く、そのために絶対的なストローク量はリーフスプリングを用いたものよりどうしても小さくなります。乗り心地と操縦安定性で優秀な反面、オフロード走破性を狙ったカスタムでは70バンに一歩譲る格好です。交換したり追加したりするパーツによっては、ランクル70プラドで70バンの能力を凌駕することは不可能ではありません。ただし、エンジンの性格やパワートレイン系のギアスペックなど走りの要素をトータルで比べると、ランクル70プラドでは究極のオフロード走破性能よりオンロードでの走りやスタイリングでブラッシュアップを狙うのが賢明なカスタムと言えるでしょう。

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中古車市場ではレトロルックなランクル70プラドが増殖中

オフロード走破性アップを狙うリフトアップカスタム。その自由度がランクル70バンより小さいランクル70プラド。過去に「70プラドはなんちゃってランクル?」などと揶揄されたのはそんな偏った見方が原因かもしれません。オフロード向けカスタムではそう判断されても仕方ないかもしれませんが、それはターゲットユーザーが異なるだけで、本質は同じランドクルーザー70です。現代のランクル70ファンはそんなことなど気にせずに思い思いの個性的なカスタムを楽しんでいます。特にランクル70プラドは空前(!?)のレトロカスタムブーム。ランクル70バンよりもやさしいマスクをしていることで格好のカスタムベースになっています。フロントマスクではグリルをメッキ仕様にしたり、バンパーを70バン同様のスチール製に変えたり、オーバーフェンダーを外してナローボディとし細身のタイヤを履かせたりといった具合。こうしたトレンドに対応してFLEXではレトロルックの「ランドクルーザー70プラド・LESLIE」を2014年にサマーコレクションとして発表しています。ナローボディをベースにライトブルーメタリックのボディペイント、サスペンションチューンによる2インチのリフトアップ、235/85R16のマッドテレーンタイヤ+FLEXオリジナルのDEANアルミホイールが絶妙です。

ランクル70バンは再販モデルが人気急上昇中

ランクル70バンの人気は今も衰えていません。ただし、ディーゼル排気ガス規制のおかげでノーマルエンジンのままで乗ることができる地域は限定されています。熱心なファンの中には排気ガス規制をクリアさせて乗っている例もありますが、近頃の中古車市場では排気ガス規制を軽く飛び越えたランクル70再販モデルの人気が目立ってきました。旧シリーズのランクル70バンより親しみやすいワイドなマスクに4ドアセミロングと4ドアWキャブといった異色のラインナップ、フレキシブルで実用度の高い4リッターV6ガソリンエンジン、そして希少車ゆえのプレミアム性もあり、往年のランクルユーザーからランクル70を知らない若年層まで幅広いファンがランクル70再販モデルに熱い視線を送っているのです。古くて新しいランクル70バンと70プラド。どちらを選ぶかは、自身のライフスタイルに照らせば自ずと答えが見えてくるはずです。

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